【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ20)

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その後ページ20

そらるに制服を借りて帰ると、すぐに洗濯機に入れて制服を洗った。

学校指定のそれは自宅で洗うことも可能な生地で出来ていて、ネットに入れればＯＫというわけ。

お気に入りの柔軟剤と洗剤を入れて、スイッチを押す。

そして、私はそのまま自分の制服も脱いでシャワーを浴びた。

熱いシャワーを頭からかぶって、芯まで冷え切った身体を温める。

身体が温まるにつれ思考も正常化していって、そらるの前で泣いてしまったことに

今更ながら後悔した。

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その頃からやたらとプライドの高かった私は、人前で弱いところを見せたことを恥じ、

もう同じことをしないように徹底した。

一人称は『僕』になり、あんなに嫌いだった男の子にも積極的に声をかけて、

いじめられても男子が守ってくれるように仕向けた。

私は私を殺して、新しい私、『僕』を作った。

もともと恵まれていた容姿を、今まで以上に徹底して、成績もとことん上げた。

この日以降私は泣くのをやめて、ひたすら元気で天然な女子を『演じ』た。

当然あんなことがあった後だから、私の周りからは女子は消え、男子ばかりが集まった。

そうやって自分を偽ることで、他人というみのに隠れるようになった。

私は、そんな汚くてずるい自分が嫌になって、本当の自分を殺してまで作った自分なのに

嫌で嫌でしかたなくなった。

こんな私に、「ろんは汚くない」なんて言ってくれたのはそらるだけで、そんな優しいそらるを

騙しているようで、自分がもっと嫌いになった。

だから高校は同じ中学の子がほとんど行かない遠方の学校を選んだ。

私立単願にしたため両親には本当に頭が上がらないけど、ここから新しい生活が始まるんだ

って胸がはずんだ。

まぁでも、元はと言えば、子供のころからやたらと高かったプライドがそらるの前で

泣いてしまった事を許せなかったからで、そらると離れた私は、自分を偽る必要がなくなり、

元の私に戻った。

っていっても、とっくに元の私なんて忘れてしまっていたんだけど。

中学の時みたいなイタイ僕っ娘キャラは卒業したけど、他はあまり変わらず今まで通り。

この学校に入学してから、私は常に笑っていて、泣いたことなんて一度もない。

だから、もし今の私を誰かに見られたら、きっとさぞかし驚くだろう。

だって、今の私は完全に昔の私に戻ってるもん。

甘えたなクセしてプライドが高く、自己中でわがままな私に。