【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ17)

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記憶～過去編～　　　　　※裏注意※ ページ17

「……ろんって調子乗ってるよね～」
「つーかただの男たらしじゃん？」
「それなｗｗ」

前からずっと、こんな日々が続いてた。

毎日のように、さまざまなレッテルを貼られたまま過ごしていたため、

多少の影口には堪えないようになっていた私。

クラスでは常に浮き気味で、女友達なんて片手の指だけで収まるくらいしかいなかった。

ある日、空き教室に呼び出された私は、数人の女子に囲まれ、手痛いいじめを受けた。

いままでも、体操着を隠されたり、上履きをナイフで切りつけられてたり、

教科書に罵詈雑言の落書きなんていうのはたくさんあったけど、

こんなに直接的なものは初めてだ。

その頃は長かった髪を引っ張られ、床に倒されたあげく、バケツで水をかけられた。

今は使われていない旧校舎の一室で、見周りの先生もほとんどこないからやりたい放題だ。

濡れて冷たくなったブラウスが肌に張り付いて、中に着ているものが透けて見える。

その様子をカメラで撮られ、見せられた。

悔しくて泣きそうになって、でも泣いたら負けたみたいで嫌だから、懸命に歯を食いしばった。

その後も、散々悪口を叩きつけられて、最終的に口をガムテープを貼られ、

手足を縛られたまま教室に置いていかれた。

鍵を閉められたせいで、自分ではここを出ることも出来ない。

途方に暮れそうになったとき、ふいに足跡が聞こえてきた。

ガタガタと扉を開けようとする音の後、「下がってろ！」という声が聞こえた。

次に、バタンという音とともに扉が外れ、知らない男の子が入ってきた。

その子はこっちにかけよって、若干視線をそらしながら縄をほどいてガムテープをとってくれる。

そして、着ていたブレザーを脱いで、私に着せてくれた彼。

そっか。私今、中透けてるんだった。

細かい気遣いが出来る彼に、思わず涙腺が緩んでしまった私は、

嗚咽をこらえる事もできず、子供のように泣いてしまった。

私が泣きやむまで、その子はずっとそばに居てくれて、やさしく頭をなでてくれていた。

「その……。着替えとか、ある？」

彼が泣きやんだ私に言った言葉は、笑っちゃうくらいにかわいい台詞だったっけ。