【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ15)

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え！？なんでここに…… ページ15

今日は、天月くんのクラスに転入生が来る日だ。

今はお昼休みで、教室の中にはお喋りに興じる女子が数人と、男子が５～６人。

そんな中、天月くんとまふくんが、背の高い男の子を連れてやってきた。

後ろのドアの方から手招きをする天月くん。

後ろの子はたぶん、今日来たばかりの転入生だろう。

どうしたのかなと思いつつ、３人の元へ急ぐ。

「歌詞さん歌詞さんー。この子覚えてるー？」

そう言って指差された先には、黒髪の少年。

覚えてる？ってことは、僕も会った事があるんだろう。

しげしげと、その男の子を眺める。

なんか、どっかで見たことある気がしなくもないけど……。

「この子はねー、小学校の時よく遊んでたそらるだよ」

「え！？なんでいるんですか？あれ、たしか都内の進学校に入学したんじゃ……」

「あー。会いたい人がいるから、来た」

思いがけない再会に動揺してしまう。

ただ淡々と話す様は、昔の活発で明るい彼とはかけ離れている。

「そ、そうなんですか…？」

「うん。それでさ、ろんさんって分かる？」

その口から発せられた名前は、クラスのアイドル的存在の女の子。

どこかぼーっとしてて、だけど一生懸命さが人気の理由らしい。

てか、転入したばかりで、もう女子に目をつけたのか。

しかも、結構倍率の高い子。

「分かりますけど、今ここにはいませんよ？」

「どこにいるか分かんない？」

「ん～。……図書室とかは？なんかよく行ってるみたいだけど」

「ありがとう。あ、あと。＿＿＿＿＿は？」

「え？それなら……」

二人の居場所を伝えると、もう一度ありがとうと言い置いて、走っていったそらるさん。

てか、場所わかるのかな？

残された天月くんとまふくんに、二言三言喋ってから席へ戻る。

まぁ、分かんなかったら誰かに聞くでしょ。