【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ13)

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転入生ページ13

なんでも転入生が来るらしく、教室はいつも以上にざわついてる。

なんとなくそわそわした空気が広がっている中、前のドアが開き、A先生が入ってきた。

「はーい、席着いて～。昨日も言ったけど、今日は転入生が来てるのよ～」

先生の声に再びざわめきが起こる。

各自、席に着いてからも周囲の席の子と喋り続ける中、

「よしっ、じゃあ入ってきてくれる？＿＿＿そらる君」

という先生の声が響いた。

開け放されたドアから、見覚えのある黒髪の少年が現れる。

背は高くなって髪もちょっと伸びたね。

全体的に大人っぽくなった彼を自席で眺める。

「じゃあ自己紹介してもらえる？」という声に応え、そらるは教卓の前に立って口を開いた。

「初めまして、そらるです。よろしくお願いします」

前よりも低くなった声で挨拶をするそらるは、一瞬こちらを見たような気がした。

その後また前に向き直り、軽くお辞儀をする。

教室の反対側の席にいるまふくんに視線を送る。

すると、何事か口パクし、頷いて見せた彼。

まぁ、いろいろ考えるところがあるんだろうね。

まふくんだいぶ懐かれてたから。

「…………じゃあそらるくんは、そこの席ね？」

「はーい…」

ゆるく返事をして、指定された席へ向かう彼の姿を、多くの女子の視線が追う。

相変わらず、そらるは人気だね。

「じゃあＨＲは終了！あんまそらる君を質問攻めにしちゃだめだよー？解散ね」

先生が教室を出ていくと、とたんにそらるの席へつめかけるみんな。

「そらる君どの学校から来たのぉ？」

「彼女とかって、居る？」

「部活何やってた～？」

「実家どの辺～？？」

「寮の部屋ってもう決まったのぉ？」

なんて、思い思いの質問をぶつけるみんな。

その半数はミーハーな女子だ。

それを俯瞰で眺めていると、慌てた様子のまふくんがやってきた。

「天月くん天月くんっ！！そらる君来た！そらる君来たよっ！！」

「うん。わかったから落ち着いて」

「わぁごめんねっ！！」