【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ2)

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朝ページ2

「おはっよ♪…相変わらず眠そうだねぇ～」

「………ふぁあぁ。おはよ、ろん」

昨日は結局一睡もしなかったし、眠くないはずがない。

それに比べてろんときたら、朝からよくもまぁそんな元気だよね。

クラスのみんなも。

朝だっていうのに教室中を飛び交う声、声、声。

別にコミュ症って訳じゃないし、てかむしろコミュ力高い方だけど朝からはムリかなぁ。

昨日のドラマ観た？

あれおもしろかったよねっ！！

ねー！！

・・・心底どーでもいい。

なんで人間ってこんなにお喋りなんだろう。

アダムとイヴはよっぽど寂しかったんだろうね。

だけどこんなに騒がしくなった今、ほんとに無駄なことしたね。

なんて考えてると突然話しかけられた。

「・・・ねー、スズム君っ！！スズム君もそう思わない？」

えーと、なんの話だろう。

「あ、うん。そう思う、気が合うねー」

「キャー♡だよねーっ！！」

うん。なんか分かんないけど、喜んでるしいっか。

だいたい、女子の声ってどうしてこんなに高いんだろう。

そんなに喋って疲れないのかな。

「スズムー、また考え事～？爆発するよ～？」

声のした方に顔を向けると、そこにはろんが立っていた。

えへへ～って笑う顔は大勢のファンがいることにも納得できる。

小さい時から一緒にいるからよく分かんなかったけど、ろんはやたらとモテる。

だけど本人曰く、男に興味がないらしいから彼氏もいない。

それが女子の鼻につくみたいで陰口なんて日常茶飯事だ。

中学のときは悪質ないじめを受けたりしてたし。

なんにも考えてないようにみえていろいろ抱え込んでるから、目が離せない。

放っておいたら壊れてしまいそうで怖い。

まぁ本人に言ったら笑われるだろうけど。

大丈夫だよ～？ってね。

「…ろんは相変わらずだな」

「え？なにが？？」

「なんでもなーい」

「ふーん？」

この幼馴染を守ってくれるようなやつが現れるまで、一緒にいてやるよ。