夢枕 ページ14
＿ミハエラ
暗闇の中で名前を呼ばれた。
私の前に誰かの気配がする。
声的にもきっとモラクスだろう。
よく分からんけど話しかけるか。
『モラクスやん、何でここに？』
＿ミハエラ、今どこに居る？
『あんたの前』
＿そうではない。テイワットのどこかに居るのか？
『あー…異世界。』
＿異世界…？と、言うこと、は、俺た、ち…はもう会えないの、か…？
モラクスの言葉が途切れ途切れになっている。
私が居らんくなるから焦っとんかな。
ははは、おもろ。
『多分。戻れるとしても方法が分からん。』
＿そ、うか。
『けど、夢枕出来てるし、いつでも会えるんちゃう。』
＿実際に会えなければ意味がない。
おぉ、キッパリやな。
ていうか、私はもう戻れんのかな。
まぁ、この世界はまだ仕事せんでええから楽やけど。
＿……ず、
『ん、もっかい。』
＿必ず、迎えに行く。待っていてくれ。
『宜しく。』
＿＿＿
百合子「ミハ姉、朝だよー！」
『…おはよう、ゆりぴ。』
ミハエラは聖愛学園の制服に身を包んだ百合子に優しく起こされた。
寝室の扉からは美味しそうな朝食の匂いがする。
百合子「なんか、ホッとした顔してんね。」
いい夢みた？と、聞く百合子の頭を撫でてリビングへ向かった。
百合子はもう朝食を食べ終わったのか、メイクやヘアセットをしている。
ミハエラも10分程で食べ終え、身支度をする。
百合子「ミハ姉ちょー似合ってる！」
『せやろ』
突然ミハエラの携帯の着信音が鳴った。
相手はホークスだった。
『もしもし？』
ホークス〈あ、ミハエラさん。もう、家出ました？〉
『いや、まだ。』
ホークス〈良かった。実は、会長にミハエラさんを連れてくるよう呼ばれてて…〉
今からか？と、思ったミハエラは時計を見る。
もうあと1時間半程で学校が始まってしまう。
『今から東京行くん？』
ホークス〈いや、今会長静岡に来てるんです。〉
『えー。』
ホークス〈そんなに嫌がらないでくださいよ…笑〉
『…分かった。ホークスは今どこ？』
ホークス〈今ちょうど家の前です。〉
『分かった、今行く。』
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作者名：るみえる | 作成日時：2023年11月20日 16時
