過去話 3 ページ39
Aside
主治医の先生にケガのチェックをしてもらい、
今どんな状態なのか聞こうとすると
衝撃的なことを言われた
主治医「もう、選手として活動することは難しいかもしれないです」
は？
今なんて…？
その瞬間脳が停止して何も考えられなくなった
意味がわからなくてもう1回聞こうとしたけど
自分の傷をえぐるだけだと思って聞かなかった
もうプレー出来ないの？
私の夢は？
治るまでに時間がかかるとかならまだわかる
でも、プレーできないなんて聞いてない
それだけで頭がいっぱいになった
私は先生の胸の中で涙が枯れるほど泣いた
あとから聞いた話では、
自分から落ちた傷じゃなくて落とされてできるような傷があったこと
転げ落ちる時に受身をとりすぎて身体の打ちどころが悪かったこと
その打ちどころは骨折した部分や腕より元々の怪我を悪化させてしまったこと
もう負の連鎖でしかない
よくそんなところに当たったなって感じ
先生もそこまで重なってるケガあんま無いって言われた
もういっその事、全身怪我して全治に時間がかかる方がよかった
ついには呆れてしまって何もやる気が出ない
こんなケガするから、もうキャプテンを外されるんじゃないかって思ってた
でも、顧問の先生は違ってた
先生「大丈夫、Aの場所は空けてあるから」
嬉しくてたまらなかった
なんとしてでも中学生最後試合を見届けるために…
あれから、車いす状態でも何とか退院出来た私
そして試合の日…
応援をするために体育館へ行くと、全員が待っていた
先生「待ってたよ、これ着てコートに立とう」
そう言って渡されたのは私のユニフォームだった
「でも…」
先生「でもじゃないよ！キャプテンとしてでるのはAしかありえないからね？」
そう言われて嬉しかった
サッと着替えてコートに立つ時間…
車いすだったけど
1番先頭でコートにたつことはもう二度とない
これが最後と思い、全てを噛み締める
ベンチに戻ると先生の横でしっかり応援
試合に出る選手たちにはこうしたらいいよとアドバイスをする瞬間もあった
今思えばこれがマネージャー・アナリストの始まりだったのかもしれない
でも、僅差で負けてしまった…
終了後、みんなが周りに集まってくれて泣いてくれたのは忘れなれない思い出
私にとって残り半年のバレーボール選手生活は壮絶でもう2度と味わうことの無いものとなった。
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作者名：みっちゃん | 作成日時：2023年10月10日 20時
