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なんとか森を抜け出し、魔王のいる城へ辿り着いた。
門の前には門番がいてとても通れる状況ではなかった。
あ、ちなみに道中は運良く抜け道見つけてそこから来たから敵とは遭遇してないよ。
これ、ワンチャン銀髪でも通れないか？
私は覚悟を決めて門の前に立つ。
「貴様、見ない顔だが何処の奴だ。」
やっぱりバレるか。
なんか言い訳しよ。
「あ、私は魔族の者です。
私、あまり外に出ないのできっと貴方にも初対面なんでしょう。」
「村娘か。
で、お前が魔王様に何用だ。」
え、この言い訳無理か、どうしよう。
言葉を詰まらせていると、後ろから肩を触られる。
驚き、振り返るとそこには黒髪赤目の所謂イケメンがいた。
「すまない。コイツは俺の友達でさ、通してやってくれ。」
すると、門番はそそくさと扉を開ける。
え？ この人もしかして魔王？
その魔王に助けてもらった？
何それなんか怖い。
「ついてこい。」
私は魔王にそう言われて、ついて行った。
いや、だって命令聞かないと殺されそうじゃん。
というか、気づいたら大きな扉の前にいたんだけど。
魔王がその扉を開け、私と中に入る。
すると、魔王はソファの上に座る。
私も座れと言われたから座ると、魔王が話し出す。
「で、お前は誰だ？
人間のようだが、俺に危害を加えないし。」
私は意を決意し、話す。
「あの、私を、ま、魔王様の仲間に入れてもらえないでしょうか？」
そう言い、頭を下げしばらく経って上げると、魔王が可笑しなものを見るような目で私を見ていた。
「何故人間が俺たちの仲間に入りたがる。」
やっぱり聞かれるよね。
「人間に恨みがあるからです。」
私は魔王様の目を真っ直ぐ見てそう言うと、急に笑い出す。
「ふーん、面白い。
まぁいい、特別に入れてやろう。」
よっしゃ！ 心の中でガッツポーズをしていると、魔王が話す。
「しかし、１つ条件がある。」
条件？
「俺の専属メイドになれ。」
は？ はぁ？
「それってどういう...」
「そうすれば、お前は殺されないからだ。
メイドの人間は殺されないからな。」
あ、そういうことか。
ならまぁ、いっか。
「分かりました。」
私がそう言うと、魔王は部屋の本棚に向かった。
どうしたんだろ？ 私が見ていると、本棚の後ろに扉が現れる。
驚いていると、魔王はその部屋に入り、メイド服たるものを持ってきた。
「これ着ろ。」
マジか。
まぁ、別室で着てみたら昔のメイド服の様な露出度低めだったから良かったけど。
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作者名：松 | 作成日時：2019年4月13日 18時
