幼馴染との出会い2 ページ3
―――かっこいい!
Aは興奮した様子で、2人の元に駆け寄った。
「ねぇ!君、かっこいいね!!」
「!?」
「鳥みたいにグワーッて飛んで、ボールをバシッって叩くのすごかったよ!」
「……お前は誰だ?」
いきなり声をかけて来たAを、訝しげに見つめながら少年はそう尋ねた。
「僕は神谷A!君の名前はなんて言うの?」
「……牛島若利」
「…………じゃあ、若くんって呼んでいい?僕のことはAって呼んでいいから!」
「A?」
「うん!」
Aがそう言って笑うと、若利も僅かだが笑みを浮かべた。
「それ、何のボール?」
「これはバレーボールだ」
「バレー、ボール?」
「そうだ」
バレーボール。
Aは胸を躍らせながら若利の説明を聞く。
「……ねぇ、僕もバレーやってみたい!若くんのかっこいいとこ、もっと近くで見てみたいから!」
「……それはAが決めることだ」
若利はAから目を逸らしてそう言ったが、どこかソワソワとした様子だった。Aは首を傾けたが笑顔でこう言った。
「僕は、若くんと一緒にバレーがしたい!」
Aの言葉に、若利は他人には分かりずらい程度にだが、表情を明るくした。勿論、傍にいた若利の父親はそんな若利に気付いて、どこか微笑ましげに2人の子供を見つめていた。
これがAと彼の幼馴染である牛島若利との出会いであり、Aがバレーボールを知った瞬間だった。
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作者名:柊花 | 作成日時:2022年8月27日 19時