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宮君はずっと目を泳がせて、私をチラっと見る。
動揺しているのだろう。
ここまで面白い宮君は初めてだ。
「…‥‥‥俺、」
『…ん?』
「その言葉が本当やったら、容赦ないで。」
『…‥…どういう意味。』
私のこの言葉を言い終わる前には、背中が床についていたような気がする。
別に痛くないし、どちらかというと押される肩が痛いかも。
こんな状況で押し倒されるのは気分が悪い。
‥ま、‥ッまぁ?平常心を保ってる、けど?
「‥‥‥簡単に男を部屋に入れたらあかん。」
『…‥別に普段は入れないけど、宮君だから入れた。入れないわけにもいかないじゃん。』
「‥‥‥まあ、それは置いといて。‥‥本気なん?」
『‥‥‥‥‥本気も何もないよ。言ったとおりだから。』
そう言うと、宮君の顔が霞む。
少し不満そうで、ムカついているのだろう。
私は、上から眺められる宮君の顔をまっすぐに見ることができなかった。
目をそらすと、私の頬を片手で鷲掴みにし前を向かされる。
『…ッ!!ちょ、…待って。』
「…‥‥待たん。ええか、A。」
「‥もし、さっき言ったことが嘘やったらキスせえへん。本当やったら、する。」
『‥‥そ、それは…、最低だね。』
「‥‥最低でもええ。‥‥ずっと我慢しとった俺に感謝しとき。」
『…‥‥だから、言ったじゃん。』
「…もっかい言って。言わんとわからへん。‥‥あんだけ嫌われてる素振りされたらそりゃそうなる。‥‥‥‥‥‥‥現に振られたからな。」
振った?私振ったっけ?
なんて思い返すが、この状況で考えるのはナンセンス。
今の心臓は、宮君に聞こえるぐらいうるさい。
…平常心、平常心。
「‥‥‥嘘なん?」
『…‥‥‥‥‥嘘、じゃない。』
「…‥‥ほな、好きなん?」
平常心。
「‥‥どっち?」
唇に触れる宮君の手。
思わず体がビクッと跳ねる。
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『…‥‥好き、です。』
震えて、動く唇に、
あなたの唇が当たった。
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ハルスケ(プロフ) - こころさん» うわ!!嬉しいです!!更新したばっかりなのにありがとうございます!!次も楽しんでください! (4月6日 15時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!お疲れ様でした!次のお話も楽しみにしてす! (4月6日 15時) (レス) @page19 id: 21b59bfcab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルスケ | 作成日時:2024年2月26日 17時