63、 ページ13
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ドンドン、
と叩かれる部屋のドア。
私は椅子に座ってうずくまっていた。
もう誰とも話したくない。
それなのに、私に用がある人は誰なのだろうか。
「…私だよ。Aさん。ドアを開けてくれないかね。」
『…！…か、監督。すみません‥！』
声の主は監督だった。
姿が見えるのと同時に最悪な事が起きそうな予感がする。
仕事をやめろなんて言われたら、どうしよう。
‥考えていると、隣の椅子に監督はゆっくりと座った。
「…‥さて、何故そんなにつらそうな顔をするんだい？」
『…仕事をしたいからです。』
「‥‥‥まさか君は、被害妄想をしているのでは？」
『…‥‥被害妄想、とは？』
私がそう言うと、少し困ったように顎に手を当てる監督。
そして自分の考えを貫くように、監督の瞳と目が合った。
「…‥仕事をやめろ、なんて言われると思っているだろうね。」
『‥‥‥‥、はい。』
「‥‥‥私はそんなことはしない。…いや、させないよ。」
『…‥‥‥それは、監督の優しさです。これは世間では許されないことなのです。』
「‥‥それは承知済みだ。でも君が、やめる必要はないだろう？」
『…‥その言い方だと、宮く…、宮選手が辞めるということですよね。それぐらいなら、私が辞めた方がいいんです。所詮は、雑用ですので。』
「‥‥‥所詮、とは悲しいことを言うね。君が入ってから、勝率は上がっているのは知っているか？」
『‥‥いいえ。』
「‥‥‥‥結果に出てるんだよ。今のブラックジャッカルには君が必要なんだ。バレーが好きな君には分かるだろう？」
『‥‥‥ッはい。』
監督の言葉はいつも説得力があった。
私がブラックジャッカルに就くときも、アドラーズに行くときも監督の言葉は助けになる。
それだからこそ、本当に私が必要とされていることが嬉しかった。
「‥‥‥宮のことは言っておくよ。もちろん叱っておく。」
「でもね、Aさんの答えを出してあげなさい。君がどう思っているであれ、好きなら好きでいいんだ。嫌いなら嫌いで。…‥まぁ、私から見たらすぐわかるんだけどね。」
『‥‥‥別に好きじゃないですよ。』
「‥‥はは、本当かい？」
『…‥‥さあ？』
「…‥君らしくていいね。だから採用したんだ。」
『‥‥ありがとうございます。』
監督はいたずらっぽく笑った。
その笑顔は一生忘れない。
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ハルスケ(プロフ) - こころさん» うわ！！嬉しいです！！更新したばっかりなのにありがとうございます！！次も楽しんでください！ (4月6日 15時) (
レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！お疲れ様でした！次のお話も楽しみにしてす！ (4月6日 15時) (レス) @page19 id: 21b59bfcab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルスケ | 作成日時：2024年2月26日 17時
