第4話 ページ4
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口を開くとともに、少しの戸惑いが私の鼓動を早くする。
このことを言うのを恐れているのかもしれない。
大したことじゃないのにな…。
「…何?」
『‥‥‥あ、‥‥いや、その‥。』
「…ゆっくりでいいよ。Aが話してくれることを無視したりしないから。」
『‥‥‥ほ、本当ですか?』
「…うん。」
角名さんは頬に手を当てて、私の方をじっと見る。
その優しくてあったかい視線が、今の私をここまで連れてきてくれているみたい。
「‥‥‥ねぇ、今俺に話そうとしていることと、Aが告白を断るのって関係あったりする?」
『‥‥‥‥あるって言ったら、あるのかもしれません。』
「‥‥‥じゃ、なおさらだね。」
『‥‥‥言っても、引かないですか?』
「‥‥うん。絶対。引いたら殴っていいよ。」
殴りはしないけど…、
…角名さんの決心すごいなぁって思う。
『‥‥‥あ、あのですね。』
「‥‥うん。」
『…私、小学生のころから、告白されるとその人のことが‥、やっぱり気になるんです。』
「‥‥うん。」
『‥‥それで、…その気持ちが好きだって、自分に言い聞かせて、本当の「好き」がわからなくて、あやふやで、…‥言われたんです。その人から。』
「‥‥何を?」
『‥‥‥なんか、俺の事振り回してね?って。』
「‥‥‥、」
『…その言葉が、結構傷ついちゃって。好きみたいな行動をしても、内心は好きじゃない。それが現状で。』
怖かったことを話すのは、もっと怖い。
そして人に教えるのも怖い。
それでも角名さんは、私の目を見てうなづいてくれて、うんって一々答えてくれて…。
この人になら辛いことも言えるって、心から思えたんだ。
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ハルスケ(プロフ) - 零さん» 零さん!?‥間違えでなければ‥ブラックジャッカルの面倒見役でもコメントしてくださった方ですか?そうであれば嬉しいです!‥これからも頑張ります! (2月8日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - うぅぅ〜!ハルスケさんの作品、大好きですぅ…!もどかしくてそわそわしちゃうけど、それも良いなぁ…って…! (2月7日 18時) (レス) @page18 id: e8df603e1f (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - ありがとうございます! (1月21日 21時) (レス) id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 紗雪さん» 紗雪さん!応援ありがとうございます!‥あつむ落ちですか…。う〜ん‥‥、次の作品の主人公をアンケートを取って決めるつもりなので、必ずあつむを入れます!それか、あつむ落ちを作ります! (1月18日 17時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - ハルスケさん!侑落ちの作品描いて欲しいです!それといつも応援しています! (1月18日 3時) (レス) @page9 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルスケ | 作成日時:2023年12月25日 17時