35.壁越しの関係 ページ36
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治くんが、隣の部屋に入る音が聞こえる。
玄関に靴あるんやし、私がここにおることは気づいてるよなぁ。
私はなるべく物音を立てないように、じっとしていた。
しばらくするとテレビの音が流れてきた。
ホッとすると同時に、何も言うてこーへんのやなぁと思った。
私、何考えとるん？？
治くんが侑の部屋に入ってきて、私に何か言ってくるとか
そんな風に思ってしまっていた……。
アホやなぁ。
私は気を取り直して、スマホを取り出した。
治くんのことなんて気にせんでええわ。
するとちょうどいいタイミングで侑からのラインが入る。
【今から戻る。待たせてすまん】
ラインの音に少しびくっとしたけど、侑がもうすぐ戻るなら…。
「なあ！今なにやってるん？Aちゃーん」
隣の部屋から、治くんの声が聞こえた。
やっぱりっ…なんにもないわけ…なかった。
「なあ？流石に聞こえてるやろ？」
治くんはやっぱり…私の反応を楽しんでる！
「無視するん？寂しいなぁ」
「無視してへんわ！」
思わず、返事をすると壁をトントンと叩く音が聞こえた。
「壁に阻まれてんのって、今の俺とAちゃんみたいや。なあ、そっち行ってええ？」
どうしよう……
心臓が壊れそうなくらいドキドキしてる…。
このドアを開けて、こっちに来られたら…
「嫌やったら行けへんから安心しいや」
治くんは、優しい声で言った。
「あ、葵と…仲良くなれた？」
返事に困って、つい葵の話をふってしまう。
「まあな。ええ子やな、葵ちゃん」
治くんは少し声のトーンを落とす。
「けど、俺が好きなんはやっぱりAちゃんやな」
心臓がまた痛くなる。
罪悪感？それとも、嬉しいから？？
胸のドキドキが鳴り止まない。
「今日のAちゃんの格好、かわいかったなぁ。Aちゃんのお姉ちゃんのことも見てみたかったけど、ほんまは休日のAちゃんに会いたかったんや」
その時、玄関のドアが開く音がした。
「A−！待たせた！スマン！」
侑が帰ってきたようだ。
「ごめんな、変なこと言うて。また学校でな」
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茜(プロフ) - 蓮華さん» ありがとうございます！！関西弁もこの話もちょっと自信なかったのでそう言ってもらえて凄く嬉しいです！これからもがんばります。 (2018年6月12日 18時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - 完結おめでとうございます！！めっちゃ面白かったです！！私関西に住んでるんですけど、関西弁もしっくりきててめっちゃなんか嬉しかったです笑←これからも応援してます！頑張ってくださいね！！ (2018年6月12日 17時) (レス) id: 7a47d30737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年5月27日 2時
