ＳＷＡＰ【宮侑】

21.代わりなんて ページ21

.



私が、気弱いからって……言わせてばっかりじゃない。
ハッキリと言わんと！
そう言って恐る恐る治くんの顔を見上げると
一瞬、悲しい顔をしているように見えた。



「物わかり悪い女やな。頭悪いんかな。まぁええわ。絶対俺に惚れさせたるわ」



そう言って、自分の教室へ帰っていく。
なんなんよ……最初は、優しい人やと思ってたのに。
急にキャラ変わってさ。
午後の授業も終わり、今日はさっさと帰ろう……
と思っていた時。
校門に侑の取り巻きの女の子たちが待ち構えていた。



「ちょっと話いい？」



モテる男と付き合うとなぁ………
こんなベタ展開にも巻き込まれるんやな……。



------



「あんた、いつからアツムと付き合ってるん？」



リーダー格っぽい女の子に問い詰められた。



「3ヶ月くらい前から……」

「ほんならそろそろ別れる頃かもしれんな、アツム飽きっぽいからな！」



何を言われても……反論なんてしないんだ。
こんな無意味なケンカなんてしたくないし
そもそもよく知らない子に言い返す度胸なんて私にはない。



「でも今日アツムが彼女やって宣言したし……長続きなんかしたらどうするんよー！」



他の女の子がぶつぶつと言い出す。




「なぁ、ほんならアンタうちに治くん紹介してや。アツムは難しいからな。
治くんなら優しそうやし、ぼーっとしてるからアツムより落ちやすそうやし！」




リーダーの女の子がそう言った。




「いやです……」




私は小さい声でなんとか言い返した。




「何でや！うちあの顔が好きやねん、アツム取られたくなかったらそれくらい聞いてや」

「治くんは……侑とは全然違うし…違う人やし……落ちやすそうとか、そんなバカにするん失礼じゃないですか」

22.偽りと本心→←20.サムのS

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す