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12.SWAP ページ12

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結局、土曜日はあれから葵と少し話して帰っていった。
何の連絡もないまま、月曜日を迎えた。



「Aちゃん、おはようさん」



廊下で偶然会った治くんに声をかけられた。



「おはよう…」

「なあ、土曜日なんかあったん??」



侑は治くんには何にも話していないのだろう。



「なんでもないよ」

「ツム、Aちゃんち行ったんやろ?仲直りせえへんかったん?
あいつ、一人で帰ってくるしなんも言わへんし、部屋にこもりっきりやったし…」

「まあ…仲直りはできへんかったよ」



あまり余計なことを言っちゃだめだ。
適当に流してその場を去ろうとした。



「Aちゃん。俺に出来る事あったら言ってな。
俺、これでもツムのこと心配しとるから」



いい人やな。侑とは大違いや。
でもこんな優しい人に迷惑かけたらあかん。



「ありがとう。治くんは優しいし、兄弟思いやな」



--------------



昼休み。
来ないだろうとは思ったけど、バレー部の部室で私は侑を待っていた。
いつもここで一緒に食べていたお弁当。
でも、そもそも人目につかないこんなところで食べさせられてた時点で
私と付き合ってるってあんまり知られたくないってことやん。
私と付き合う前も、何人も彼女とかいい雰囲気の女の子おったし
最初から…無謀な恋愛やったんかなぁ。




「一緒に弁当食べよ」



一人で食べようとしていた時に、部室に入ってきたのは治くんだった。




「私、もう間違えへんで」

「あはは、ツムやったらもっと偉そうにやってくるかな?」



治くんは私の横に座った。



「一人じゃ寂しいやろ。俺と一緒に弁当食べよ。
ああ、ケンカ中のツムと同じ顔のヤツでごめんな」



そう言って笑う治くんは
なんで侑と間違えたんやろうって思うくらい
侑とは全然違う、優しい笑顔やった。

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(プロフ) - 蓮華さん» ありがとうございます!!関西弁もこの話もちょっと自信なかったのでそう言ってもらえて凄く嬉しいです!これからもがんばります。 (2018年6月12日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - 完結おめでとうございます!!めっちゃ面白かったです!!私関西に住んでるんですけど、関西弁もしっくりきててめっちゃなんか嬉しかったです笑←これからも応援してます!頑張ってくださいね!! (2018年6月12日 17時) (レス) id: 7a47d30737 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月27日 2時

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