一番好き*F7 ページ9
遥輝side
本編終了後…
ファイターズが関東で試合がある日、
俺はホテルではなくAちゃんの家に泊まりに来た。
「…いい所住んでるやん」
「遥輝さんだって…」
「東京のこんな一等地に…」
「そうでもないですけどね」
「でも、セキュリティーもしっかりしてるし…
少し安心したわ」
「私信用ないですか?」
「ないな」
この子の警戒心はあるようでない。
やから、住んでる所もセキュリティー甘かったらどうしよう。
なんて思っとったから少し安心。
夕飯を作ってるAちゃんを待つ。
なんとなくつけたテレビで、
元恋人と連絡を取る人は…
なんていう特集がやっていた。
「…なぁ」
「なんですか?」
「凄く聞きたくないんやけど」
「だったら聞かないでくださいよ」
「…やっぱり、元カレ…芸能人なん?」
「…それ、気になるんですか?」
「…まぁ」
「…その人です」
「は?」
「今、テレビに出てる人」
「…はぁ?!」
今テレビに出てる人は…
今最高に人気が出ていて、
イケメンと言われている俳優さん。
知らん人はいないんやないか?ってくらい有名。
でも…最近結婚したはず。
「え、ホンマに?」
「はい…2年くらい付き合ってました」
「長い!え、まじか…
なんかイライラしてきた」
「自分で聞いたのに…」
「…好きやったん?」
「…どう、ですかね」
「は?」
「最初の方から、彼がわからなくなって…
何度か別れ切り出したんですけど…受け入れてもらえなくて…
気がついたら2年たってて…気がついたら、フラれてました。
彼には別の人生があったみたい」
「…」
「…すみません、こんな話」
フラれたというか…多分、この様子だと、
この男、浮気しとったんやな。
その相手がこの前結婚した相手なんやろうな。
寂しそうな表情をしているAちゃん。
すぐにテレビを消して、料理をしているAちゃんを抱きしめる。
「ちょっ、危ないですよ!」
「俺は絶対にAちゃんを裏切らへん」
「…裏切られたとは言ってないですよ」
「…俺が一番Aちゃんを幸せにするし」
「何と張り合ってるんですか」
「俺が…一番好きやもん」
何と張り合っているかって…
そりゃ、さっきの男やろ。
お前が幸せにできなかった、
この素敵で可愛くて野球が好きで、
俺の事が大好きなAちゃんを…俺が幸せにするって。
そう思いながらAちゃんにキスをする。
(もう、この人にキスできるのは俺だけ)
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作者名:ゆき | 作成日時:2019年6月23日 17時