監督にご報告*F7 ページ6
遥輝side
開幕戦前…
「Aちゃん、こっち」
「なんですか？」
トレーナーさんの仕事を手伝っているAちゃんを呼んだ。
とある部屋に入ると…
「え、監督？」
遥「そう、俺が呼んだ」
「なんで？」
遥「…監督、開幕前の貴重な時間にすみません。
…Aちゃんと、付き合うことになりました」
「っ！？」
栗「…そうか」
遥「この時期に本当に申し訳ないです。
でも…ちゃんと、結果残します」
「ちょっと待ってください。
急に…え？」
遥「あぁ、監督にAちゃん一人占めするときは、
挨拶に来いって言われてたんよ」
「せめて先に言ってくださいよ」
遥「急に来た方がええやろ」
「何がいいんですか」
遥「…わからんけど」
「もう！」
栗「…仲良くできそうだな」
「あ、えっと…。
この時期に…本当にすみ「謝ることじゃないだろ」
栗「…二人は幸せか？」
遥「監督？」
真剣な表情で聞かれた。
Aちゃんと目線を合わせながら…
遥「はい。幸せです」
栗「そうか…それなら、何も言わない。
結果は残せよ、遥輝」
遥「はい」
栗「…A」
「…はい」
栗「…幸せか？」
「…うん」
栗「…これから離れて生活することになる。
会える日だって少ないだろう」
「…そうだね」
栗「それでも…ちゃんと遥輝に…
幸せにしてもらいなさい。守ってもらいなさい」
「っ…」
栗「遥輝もいいな」
遥「はい」
あぁ、この人が監督でよかった。
Aのお父さんが…監督でよかった。
栗「A」
「はい」
栗「遥輝にいじめられたら、いつでも連絡してきなさい」
「はーい」
遥「え、まって。
監督も何言ってんすか。
Aもそんな簡単に返事せんといて」
栗「何かあったら連絡してきなさい」
「うん」
栗「寂しくなったらいつでも来ていいから」
「くるね」
栗「また、遥輝と一緒に、
遅刻ギリギリで駆け込んできなさい」
「それは…うん、やめておきます」
栗「…遥輝」
遥「なんすか…」
栗「…Aを頼んだぞ」
遥「…言われなくても」
元々そのつもりです。
泣かせることなんてない…とはいえない。
せやけど、俺と付き合っている事で、
辛い、なんて思わせないようにする。
あと少しで離れてしまうけれど…
俺はこれから先もAちゃんを好きでいて、
守って幸せにして…笑わせたい。
とりあえず、最大の難関…監督への報告は幕を閉じた。
(チームには…まぁ、ええか！)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年6月23日 17時
