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嫉妬*G36 ページ15

「あー…来るタイミング間違えた」



試合終わりに慎吾君に会いたくて裏に来た。
スタッフさんに慎吾くんの居場所を聞いて向かうと…



「何もあんなに近くで楽しそうにしなくても」



綺麗な女子アナさんと楽しそうに話していた。
楽しそうに話してて…あ、多分連絡先、もらった…。



「帰ろう」



慎吾君、可愛いって思ったのかな…。
連絡先もらってたし…。
私みたいに時々しか会えない人より、
インタビューで会える女子アナさんのほうがいいのかな。

すれ違う選手とかスタッフさんに挨拶をしつつ…
だらだらと出口に向かって歩いていると…



「A、おい!」

「…」

「待てって言っとるやろ!」

「うわっ!」



名前を呼ばれて、急に腕を引かれた。
そこには少し息を切らしている慎吾君の姿。




「あれ…インタビューは?」

「そんなんとっくに終わっとるわ」

「…でも、さっき」

「見てるなら声かければええやん」

「仕事中だし…」

「あほ、そんな泣きそうな顔してんなや」

「…だって」

「…とりあえず帰んで」

「一人で帰る」

「あかん」

「やだ」

「Aんちでええやろ。
今日泊まるから」

「…やだ」

「知りません」




腕を引っ張られて車に乗せられる。



「…泣きそうな顔すんなや…」

「…してない」

「しとるで」

「だって、慎吾君が…」

「女子アナと話してるのみて嫉妬したんやろ」

「っ…」

「誠司さんに聞いた。しょんぼりしながら歩いてたって」

「してない」

「…何もないから」

「…連絡先もらってたじゃん」

「一番嫌な所見とるな。まぁ、もらったわ」

「…」

「でも、その場でいらんって言えないやろ。
偉い人もおったし…」

「そうだけど、」

「そこら辺のゴミ箱に捨てられんし、
家でシュレッターしようと思ってた」

「…」

「連絡しようなんて思ってないから」



頭をポンとしてくれた。
それだけで、少し…嫌な気持ちがどこかに行った気がした。



「なぁ、A」

「ん?」

「…嫌な所見させてごめんな」

「え…」

「野球選手と女子アナはホンマによく言われるけど…
俺にはAだけやから」

「っ…」

「やから、俺の事信じて」

「信じる…」

「よし、ほな帰ろう。
返って早く抱きしめたい」

「っ…」



きっとこれからも不安になることはあると思う…。
でも、それでも…


(私はあなたの気持ちを信じます)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年6月23日 17時

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