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慎吾side
「慎吾君、起きて…時間」
「ん…」
熟睡していたところをAに起こされた。
時間ってなんやねん…って思いながら、
遠征に行く準備をしていない俺は、
きっともう動きださないといけない。
うっすらと目を覚ますと…
少し体を起こして、俺の腕をゆするAの姿。
その姿が可愛くて、頭に手を伸ばし、
自分の腕の中に閉じ込める。
「慎吾君！」
「大きい声ださんといて」
「だって、起きないと」
「起きる…起きるから…
あと少しだけ」
「…」
「…体、平気？」
「…ん」
「あぁ、昨日のA可愛かったわ」
「っ、言わなくていい！」
「だから大きい声ださんといてって…」
「昨日、の…慎吾君も…
かっこよかったよ」
「…」
「でも、なんかヤダな」
「は？あんなに気持ちよさそうにしてたやん」
「そう言うこと言わないで！」
「じゃあ、なんなん？」
「こんな幸せなのに、慎吾君に会えなくなっちゃう」
「…」
「寂しい、な…って」
「…帰ってきたら、すぐに会いに行く」
「ん…」
「楽しみに待っとって」
「なにを？」
「俺に会えることと…
また、俺に抱かれること」
「っ！もう、いい！」
そう言って、無理やり腕の中から出ていき、
その勢いで部屋も出ていく。
あぁ、怒らせた。
怒ると機嫌直るのに時間かかるからな〜
なんて思いながら後をおう。
鏡で髪をとかしているA。
「あぁ、今日髪おろしておいて」
「…？」
「ちょっと見えるわ、キスマーク」
「っっ！！」
その後、もっと機嫌が悪くなるのは想像できた。
「俺やって、見えへんように考えたわ」
「でも、見えてるじゃん！」
「変な服着なければなんとかなるやろ」
「そういう問題じゃなくて！」
「朝から怒りすぎやで」
「慎吾君のせいでしょっ」
「はいはい」
「わかってる？」
「わかっとる」
「本当に？」
「ホンマに…。
こうすれば、静かになることも」
そう言って、軽くキスをした。
予想と経験通り静かになるAをどかして、
顔を洗う。
すると、後ろから抱き付いてくるA。
「じゃーま」
「慎吾君のせい」
「何でもええよ」
「…ずるい」
「なにが」
「カッコいい」
「それはどーも」
「…」
「何か言えや」
「…好きです」
「俺もですけど」
そう言うと、背中で小さく笑うA。
あぁ、こういう空間が好き。
こうやって…
(笑いあっている時間が…幸せだと感じる)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年1月14日 20時
