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慎吾side
食べたと言い張るA。
「何か食べなくていいん？どっかいく？」
「もー、慎吾君優しすぎる。平気だよ。
慎吾君こそ、帰らないとでしょ？」
「あぁ、明日から遠征や」
「…ということは、半月くらい会えないのか…」
隣でシュンとなってるA。
悲しい、と思ってくれていると思うと嬉しい。
でも、悲しい思いをさせていると思うと、
辛いと思う部分もある。
「なぁ、A」
「なに？」
「今さ、悲しいって思ってる？」
「なんで…」
「俺が遠征って聞いて…」
「なんで、そんな事聞くの」
「Aの中で、俺が…どういう存在なのか知りたい」
なに今のこの状況で言ってるん？
何か焦ってるん？
あぁ、チームに取られそうになったから？
それは…あるかもしれへん。
「…思うよ。
慎吾君に会えないって思ったら…寂しい」
「…」
「何か言ってよ」
「俺も、Aに会えないって思ったら、寂しい。
知らん男の所にいかないかな、とか…
心配になる」
「行かないよ」
「…なぁ、A」
「なに？」
「…今回の遠征が終わったら、会いたい」
「…何改まって」
「言いたいことある」
「…」
「何か言えや」
「…うん」
「やから、予定開けておいて」
「うん」
「遠征中、他の男なんか見んといて」
「見ない」
「俺以外に懐かないこと」
「犬じゃない…」
「尻尾振ってる犬や」
「違う」
「…尻尾は俺以外に振らないこと」
「…はい」
「ほら、犬や」
「だから違うって」
誰の所にも行かせない。
Aの幸せは…普通の幸せは俺が作ってあげたい。
Aの最高の幸せは…俺が作ってあげたい。
幸せって思うことも、辛いって思うことも、
悲しいって、会いたいって、泣きたいって、
抱きしめたいって…そう思う相手は、
俺であってほしい。
幸せにしたい、幸せになりたい。
全部、全部、俺とAで…2人で。
AAの周りに溢れる全てを…
(俺で一杯にしたい)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年1月14日 20時
