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慎吾side
今日は大きな活躍はできなかったけど…
それなりの手ごたえを感じられる試合だった。
ロッカーに戻るとき、
「A、まだおったん？」
「だって、あんなカッコいい慎吾くん見せられたら…
会いたくなった」
「っ…なんやねん、もう」
「格好よかった！凄く凄く！」
試合終わり、バタバタしている周りなんて見えない。
目の前で今日の試合について、
楽しそうに話すAをみて…
好きやなって思うことで頭がいっぱいだった。
「でね、あそこで慎吾君が…って、聞いてる？」
「聞いてる、聞いてる」
「あ、まだシャワーとか浴びてなかったね。ごめん」
「ええよ。シャワー浴びてくるから待ってて。送る」
「いいよ、一人で帰れる」
「あかん。待ってて。
マネ君は？」
「なんか、試合終わった後に放心状態になって帰った。
楽しかったんじゃないかな？」
「そ。それなら、やっぱり待っとって」
「…」
「A、」
「はーい」
それから、すぐにシャワーを浴びて、着替える。
岡「慎吾さん、あれっすよね、Aさんっすよね？」
慎「うっさいな〜」
勇「おい、ずるいやん。俺も行く」
菅「え、俺も」
誠「俺も〜」
慎「絶対に嫌や」
ワイワイしながら、色んな人が集まってきて、
一緒に飲みに行こうとかいう話になってる。
慎「絶対に嫌や！こんといてください！」
勇「あ、おい！慎吾！」
荷物を持ってロッカーを飛び出す。
すぐにAが見つかって…
「あ、慎吾くん、お疲れって、ちょっと！」
腕を掴んで走る。
後ろからは俺を呼ぶ野太い声が聞こえる。
でも無視して走る。
「慎吾君！？」
「ええから走って！」
「なんで？！」
「…わからん！」
ただ、誰にもとられたくない、その一心だった。
車まで走り、荷物とAを詰め込み走り出す。
「ちょっとっ…本当になに？」
「ええやん、面白いやろ？」
「面白いって…試合終わりによくそんなに走れるね」
「ん〜Aが来てくれたからやない？」
「っ、なにそれ」
「それはこっちのセリフや。
なんやねん、あのピッチング」
「凄いでしょ？宮さんに教えてもらった」
「ぽかったわ。えぐいわ」
「宮さんに報告しとこ〜」
「仲いいん？」
「ん〜親戚のお兄ちゃんって感じ。
凄い話しやすい」
「ん〜そう言えば、飯は？」
「いらないかな」
「…何か食べたん？」
「…食べた」
「食べてないやろ」
「食べたって」
「食べてないやろ」
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年1月14日 20時
