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33-3 ページ20

剛side



その言葉を聞いて、何も考えられなかった。


でも…咄嗟にAちゃんの腕を引っ張って…


抱きしめていた。



「離してっ」

「やだっ」

「離してよ!」

「やだっ…」

「剛くんっ」

「俺だって、好きだよ!
Aちゃんの事が、好きっ。
でも、俺とAちゃんは生きる世界が違いすぎる。
ましてや、活躍できていなくて…
野球選手としても何もできていない俺に…
Aちゃんを好きだっていう資格はない」

「なに、それ…私っ「だからっ!」…」

「だからこれ以上Aちゃんの事、
好きにならないようにって…距離をとった」

「っ…」

「でも、距離を取れば取るほど、
Aちゃんの事が好きになっていった。
何をどうしても…どうやっても…
俺からAちゃんが消えない。
Aちゃんが…好き…」

「…っ」

「っ…ずっと言えなかった。
今更言っていいかわからないけれど…
好きなんだ、Aちゃんの事」

「っ…剛くん」





腕の中で泣いているAちゃんの頭をなでる。





「剛くんっ…」

「ん?」

「わ、私…剛くんの事、
好きで、いていいの?」

「っ…好きでいて。嫌いなんて言わないで」

「剛くん困らない?辛くならない?
剛くんの邪魔に…ならない?」

「ならない…好きって言ってよ」

「好きっ。剛くんが好きっ」

「…俺も、好きだよ」



俺も気づいたら泣いていて…
2人で涙が止まるまで抱き合っていた。



「Aちゃん目、真っ赤」

「…剛くんだって」

「…たくさん遠回りさせて、ごめんね」

「もう遠くにいかないで。
遠くにいる剛くん見るの…いやだ」

「うん、約束する。
Aちゃんの近くにいるって…」

「絶対だからね」

「うん」

「剛くんっ」



また泣き出したAちゃん。
ゆっくりと抱きしめていた身体を離して、
涙を拭う。




「…改めて、言わせて。
Aちゃん、好きだよ。
俺と…付き合ってください」

「…剛くんが好きです。
私でよければ…ぜひ」

「Aちゃんがいい」

「剛くんがいい」

「…ありがと。俺の事好きになってくれて、
ありがとう」

「…私の事、好きになってくれてありがと」




開幕したら、お互い会えるのは
月に1回あるかないかだろう。


それでも、俺はAちゃんを幸せにしたい。

突き放してしまった分を取り返して、
一番寄り添える人でありたい。


この先もずっと…Aちゃんと、


(幸せになりたいって思った)

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名無し17953号(プロフ) - みやさん» わざわざ返信ありがとうございます!どちらにせよ楽しみに待っているので更新よろしくお願いします! (2019年1月15日 14時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 名無し17953号さん» コメントありがとうございます!お気に入りに入れて頂き、嬉しいです。そして、ご提案ありがとうございます!順番に完成という場合…4番目の話がいつになるかわからず…その話をお待ちいただいている方に申し訳なく…同時進行と致しました。しかし、再度検討します。 (2019年1月15日 12時) (レス) id: c1ba2d722c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17953号(プロフ) - すごくおもしろくて全てお気に入りにして見させていただいています!提案なのですが、最後にオチでストーリーを分けている4つの話、ひとつひとつ順番に完結させていくのはどうでしょうか!話が少し混ざってしまって混乱してしまう時があります… (2019年1月14日 22時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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