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33-2 ページ19

剛side



上「…いいのかよ、何も言わなくて」

近「今日がラストチャンスだと思うよ」

剛「…うん」

上「うんじゃなくて、」

遥「剛!はよ行け」

剛「遥輝さん…」

遥「フラれたら、ちゃんと残念会したるから」

剛「…」

遥「Aちゃんを幸せにできるんは、
剛だけやで」



その言葉は、いまだに信じられない。
でも…信じたい。

俺が…俺だけがAちゃんを幸せにできる。



剛「っ…ちょっと行ってきます」

近「ちょっとじゃなくて、帰ってくんなー!」



走り出す、Aちゃんの所へ。



「Aちゃん!」

「…剛くん」



Aちゃんを見つけた時は、
丁度メイクさん?たちが大荷物を持って
楽屋から出てきたところだった。



「どうしたの?」

「っ…」



なんて言おう、なんて言えばいいんだろう…。
何も、わからない。



「剛くん?具合、悪い?」

「いや、そうじゃなくて…」

「誰もいないから、中入る?
もう片付けも終わっちゃって何もないけど」



そう言われて、素直にAちゃんの楽屋に入った。
さっきのメイクさん?たちは、
やはり撤収だったようで、
中にはAちゃんの荷物だけだった。




「今日、来てくれてありがとう」

「いや…こちらこそ、ありがとう」

「寂しいね〜あと開幕して…終わって…だけだ」

「…そうだね」

「ありがとうね、剛くん」

「…いや、俺は…」

「剛くん、優しいから…
あんな面倒なことに巻き込んじゃって…
送り迎えまでしてくれて…本当に感謝してる」

「…それくらいしか、
Aちゃんの力になれないから」

「…それが、私には凄く嬉しかった。
面倒な事ばかり…ごめんね」

「面倒だなんて思ってないよ。
Aちゃんの事だって思えば…ぜんぜん」

「…ほら、剛くん優しい」

「…俺、優しいかな?」

「優しいよ…ずるいよ」



その声は…震えていた。
俯いているAちゃんの表情は見えない。



「ずるいよ、剛くん」

「…ごめん」

「謝られたら、どうしていいかわからないっ」

「ごめっ」

「だからっ!」

「Aちゃん…」

「もう、わからない。わからないの…」



俯いていた顔を上げて、
涙をいっぱい溜めている目は、俺を見ていた。


あぁ、何してるんだ俺は。

何好きな人に…こんな表情させてんだ。



「わからない…。
剛くんの事、好きになってよかったのか…。
わからなくなってきた。


剛くんの事…好きにならない方がよかったっ?」


33-3→←33-遠回りの先



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名無し17953号(プロフ) - みやさん» わざわざ返信ありがとうございます!どちらにせよ楽しみに待っているので更新よろしくお願いします! (2019年1月15日 14時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 名無し17953号さん» コメントありがとうございます!お気に入りに入れて頂き、嬉しいです。そして、ご提案ありがとうございます!順番に完成という場合…4番目の話がいつになるかわからず…その話をお待ちいただいている方に申し訳なく…同時進行と致しました。しかし、再度検討します。 (2019年1月15日 12時) (レス) id: c1ba2d722c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17953号(プロフ) - すごくおもしろくて全てお気に入りにして見させていただいています!提案なのですが、最後にオチでストーリーを分けている4つの話、ひとつひとつ順番に完結させていくのはどうでしょうか!話が少し混ざってしまって混乱してしまう時があります… (2019年1月14日 22時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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