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24-守るのは、 ページ1

剛side


練習が終わり、明日はオフだーなんて思いながら荷物を持って帰ろうとしていたら、
廊下がバタバタし始めた。


手にペットボトルを持って走っている優心を捕まえる。


剛「何かあったの?」

優「剛さんっ…あの、えっと…」

近「ちょ、落ち着けって…」

上「どうした?皆ばたばたしてるけど…」

優「…Aちゃんが、職員に襲われて…」



その言葉を聞いて、頭が真っ白になった。


剛「っ…今、Aちゃんどこにいるの!?」

優「医務室ですって、剛さん!?」


上沢にも近ちゃんにも名前を呼ばれたけど、
振り向いている時間はない。

医務室目がけて走り出した。




剛「Aちゃんっ!」

翔「剛、もっと静かに入ってこれないのか…」

剛「大将…すみません」


そう謝りながらも、ベッドに座っているAの正面に行く。



「Aちゃん…」

「ごう…くん」

「…うん、剛くん」


Aちゃんの固く握りしめられている手を開き…繋ぐ。

なんて言っていいのかわからない。
現場を見ていなかった俺が、大丈夫なんて声をかけられない。

でも…それでも、大丈夫って伝えたくて、手をギュッと握り、頭を撫でると…


綺麗な大きな目から…涙が溢れてきた。



宮「やっと泣いたか…」

剛「え?」

賢「俺たちが何言っても、大丈夫しか言わなくて…
マネ君と話している時も…大丈夫そうな顔じゃないのに、大丈夫って」

翔「卓も遥輝も頑張ったんやけど…まさか剛とは」


ハルタクからの視線を感じながら…溢れているAちゃんの涙を拭う。



上「ちょ、剛…走るの、早すぎ」

近「確実に、遥輝さん以上だった」

優「Aちゃんっ…これ、少しは落ち着くと思う」

「…ありがと」



俺と繋いでいない手で優心から飲み物を受け取る。



翔「少し、落ち着いたか?」

「はい…すみませんでした」

賢「謝らないで…今日は、疲れたでしょ?
家まで…剛が、送るから」

剛「俺ですか!?」

遥「えー!俺が送る!」

賢「今日は、剛に送ってもらえ。いいな」

「…剛くん」

剛「もちろん送るよ。一緒に帰ろう」

「…ごめんね」

剛「俺は謝ってほしくないな」

「…ありがと」

剛「…どういたしまして」


最後に流れた涙を拭う。
荷物をまとめにいったAちゃんの後姿を見送る。



宮「ということで…剛、送る前にその震えなんとかせんと」

剛「…あ、本当だ」


知らぬ間に俺の手は震えていた。

Aちゃんに伝わっていないといいけれど…


24-2→



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名無し17953号(プロフ) - みやさん» わざわざ返信ありがとうございます!どちらにせよ楽しみに待っているので更新よろしくお願いします! (2019年1月15日 14時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 名無し17953号さん» コメントありがとうございます!お気に入りに入れて頂き、嬉しいです。そして、ご提案ありがとうございます!順番に完成という場合…4番目の話がいつになるかわからず…その話をお待ちいただいている方に申し訳なく…同時進行と致しました。しかし、再度検討します。 (2019年1月15日 12時) (レス) id: c1ba2d722c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17953号(プロフ) - すごくおもしろくて全てお気に入りにして見させていただいています!提案なのですが、最後にオチでストーリーを分けている4つの話、ひとつひとつ順番に完結させていくのはどうでしょうか!話が少し混ざってしまって混乱してしまう時があります… (2019年1月14日 22時) (レス) id: eb93799d33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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