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26-不安が ページ6

遥輝side


「遥輝さん、おはようございます。昨日、Aちゃん、大丈夫でしたか…?」

「優心、おはよう。あぁ、大丈夫やったと思うで。寝れたみたいやし…」

「それならよかったです」

「…姉ちゃんのこと心配なん?」

「…心配です」



グラウンドで他の選手のストレッチを手伝っているAちゃんはいつも通り。
朝、俺の家でおはようって言う感覚は、不思議やったけど…意外に普通やった。
寝起きのAちゃんはかわええな〜って感じ。

今も、小さい体で精一杯ストレッチして…時々地獄やけど、皆のためにって働いている。
まるで昨日の事なんて何事もなかったかのように。



「心配したって。あいつ、きっと…これからも隠し続けるから」

「…はい」

「…なんやねん、その顔」



優心が俺の方をぽかーんと見る。なんやねん、その顔…。



「遥輝さん…カッコいいなって」

「はぁ?」

「Aちゃん見ている時の表情…格好よすぎです」

「…あんなぁ」

「Aちゃんが落ちるのも、時間の問題ですね。お姉ちゃんの事、よろしくお願いします」




それだけ言って、走っていってしまった。

あいつなんて言う爆弾を落としって言ったんや。
どんな顔してたんやろ…。恥ずかしいやん…。



時間の問題、ね…。


ぼけっとAちゃんをみる…。あ、笑った。可愛い…。




「好きやって…言うだけやねんけどな」




今までなら、サクッと言って付き合っていただろう。
でも、Aちゃんの現状や…俺とAちゃんの立場を考えると、上手く言えない。
家に連れてきておいて何言ってんねんってなるけど…

大切な所が言えない。言いたい…あぁ、Aちゃんに言って…Aちゃんからも言ってほしい。



なんて思いながら、ふと思った。


Aちゃん…俺の事、どう思ってんねやろう…。好きとか、思ってくれてるんかな。
意識してくれてんねかな…。


抱きしめても少し照れるだけですぐに呆れるし…心は開いてくれてるけど…お兄ちゃんって感じかもしれへん。
しかもお兄ちゃんポジは鍵さんやから…無理やん。


え、Aちゃん。俺の事どう思ってるん?好きって…少しでも思ってくれてる?

あかん、感情が読めへんからどうしていいかわからない。


ゆっくり俺の事かっこいいって思ってもらおう。って…好きになってもらおうって思ってた。

でも、なんか急に不安になった。


あぁ、Aちゃんから、



(好きって言われたい)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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