青く、蒼く。～F7ver～ (ページ5)

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遥輝side

「この部屋、使ってええから」

「…本当にすみません」

「謝るのはもうええって。俺がやりたくてやってんねんから」

「…謝るしかできなくて」

「おいで…ちょっと休もう」

荷物を置いて、リビングにいく。
Aちゃんをソファーに座らせて飲み物を取りに行く。

といっても…何もなくて、いつかの飲み会で誰かが置いていったお茶しかなかった。
コップに移し替えて、レンジで温める。

「はい、これしかないけど…」

「わざわざ温めてもらって」

「Aちゃん、冷たいの飲まへんから…」

「…気がついてたんですか？」

「まぁ…いつも冷たいもの来ると常温になるまで待ってたし…レンジでごめんやけど」

「…ありがとうございます」

そう言って、少し飲み物を口に入れて…一息ついた。

「Aちゃん、改めて言うけど…これは俺がやりたくてやっていること。誰かに言われたやなくて…俺が、Aちゃんの事守りたいって…一人にしなくないって思ったから…連れてきた」

「…遥輝さんは、それでいいんですか？メリットないじゃないですか」

「メリット？そんなん、Aちゃんの傍におれるって事やろ」

あ、人の顔見てため息ついた。

「…遥輝さん、私の事誤解してますよね。私、遥輝さんにそう言ってもらえるような人じゃないんです」

「俺が見てきたAちゃんは、凄く魅力的やで」

「…魅力なんてないです。弱くて…今の状態でも精一杯なんです。これが…私の限界なんです」

「弱くても限界でも…AちゃんはAちゃんやからそれでええ」

「…絶対に後悔しますよ」

「せぇへん」

「…後から苦情受け付けませんからね」

「なら…俺からもええ？」

「…なんですか？」

「俺のこと信じて」

「は、るきさん…」

「周りがどれだけ怖くても、周りを見るのがどれだけ辛くても…俺だけは…信じてほしい。もちろんファイターズもやけど」

頭を撫でると、静かに涙を流すAちゃん。
あぁ、この子は奇麗だ…そして、儚い。。

好きな子をほぼ無理やり家に連れてくるという…危うく法に触れるような事をしていなくもないけれど…

このチャンスを逃すわけにはいかない。

俺は俺なりにAちゃんを支えて守りながら…

好きになってもらえるように、頑張ろう。

もちろん野球も頑張って、Aちゃんにカッコいいって言われたい。

これから本気だしていくから…

(覚悟しぃや)