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34-開幕 ページ18

遥輝side


気がついたら、開幕は明日になっていた。

開幕3連戦までは北海道にいてくれるようで、
あと一緒にいられるのは4日。




「遥輝さん、離れてください」

「いや」

「そろそろ寝たいです」

「あと4日やで?
離れたら4日たってまうやん」

「離れてもくっついてても
4日は経ちますから」

「Aちゃん辛辣!」

「辛辣なんて言葉知ってるんですか」

「なんか今日めっちゃ塩対応!」

「…私だって、寂しくないわけじゃないんですから」

「…」

「…一緒にいる時間増やしたいけど…
その後寂しくなると思うと、
どうしたらいいかわからないです」

「…あかんわ」

「何がですか」

「可愛い」




そう言うと、俺の腕の中から逃げようとしていたのに、
ピタッと止まった。

あぁ、きっと照れてるんやな。




「なぁ、あと4日やん」

「そうですね」

「あと今日入れて4回は一緒に寝れるやろ」

「野球の日は一人で…」

「嫌」

「…」

「一緒にいれる時間はいたい」

「遥輝さん…」

「ごめん、わがままで」




Aちゃんの首元に顔を埋める。
小さいから…少し姿勢的にはきついけど…
それでもAちゃんを感じたかった。




「遥輝さんから離れられなくなったら…
遥輝さんのせいにしますからね」

「え…」

「なんでもないです。おやすみなさい」




俺の腕から抜け出して部屋に戻ろうとするAちゃん。
しかし、Aちゃんの腕を引っ張り一気に抱き上げる。



「うわっ!ちょっと…高いです!」

「一緒に寝るんやからこっち」




ベッドサイドの電気を付けて、
Aちゃんをベッドの上に落とす。

逃げようとするから、覆いかぶさって逃げ道を塞ぐ。



「ど、どいてください!」

「嫌や」

「っ…」

「可愛い」

「明日開幕ですよ。
ゆっくり休まないと」

「だから、Aちゃんと一緒に寝る。
安心すんねん…ホンマに」

「だからって」

「もう、黙って」



口を塞ぐようにキスをする。
ゆっくりと唇を離すと、
甘い目をしているAちゃん。



「その目は反則やろ」

「知りません!」

「今日は我慢する。
我慢するけど…終わったら、覚悟しとってな」

「っ…」

「俺が我慢できればの話やけど」

「っ…遥輝さん」

「んー?」

「…覚悟、してるんで…
勝ってくださいね」



あ、これあかんやつ。



「勝つ。勝つから…
もう一回、キスさせて」

「え、ちょっ、んっ…」



明日から頑張らな…
Aちゃんの事、幸せにできない。

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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