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遥輝side

「…カッコいいですね」

「は?」

「遥輝さん、格好いいです」

「ありがとう」

「…遥輝さんはもっと良い人がいると思います」

「…」

「美人さんで、綺麗で、すらっとしてて…
遥輝さんの隣に立って、お似合いな人…」

「おらんて、そんな人」

「いますよ、いっぱいいます」

「俺はAちゃんがええ」

「…遥輝さん、人を見る目ないですね」

「あると思うけど」

「ないですよ…私を好きになるなんて…バカです」

「せめてあほにして」

「あほですね」

「あほちゃうわ」

「好きです」

「っ…」


こういう所、急やねん…。
心構えなんてできたことが無い。



「好きになっちゃったんです。
遥輝さんの隣に立てるような人ではないのに。
遥輝さんの事好きになっていいような人ではないのに…」

「Aちゃん」

「私はっ…」

「A…ありがとう」



泣き出すAちゃんを抱きしめた。



「好きになってくれてありがとう」

「…好きです、好きなんです。
遥輝さんが…好きです。
野球が上手な所も、優しい所も、
後輩思いなところも…遥輝さんの全部が…
すきなんです」

「…俺も好きやで」

「…私で、いいんですか」

「Aちゃんがえぇ」

「いつか、いつかきっと…
好きにならなければって「ならない」…」

「ならない。この先もずっと。
Aちゃんを好きになって…
Aちゃんに好きになってもらえて…
これほどの幸せはない」

「っ…遥輝さんっ」

「もう、なかんといて〜。
可愛い彼女に泣かれるんは心痛いわ」

「…泣いてないです」

「嬉し涙やな」

「好きです」

「…急やな、俺も」

「好きなんです」

「俺もやで…顔あげて」

「っ…」

「目、真っ赤やん…もう、可愛い」

「遥輝さんっ…」

「…おるよ、ここに」



溢れる涙をそっと拭い…頬を撫でる。
猫見たいにすり寄ってくる。

あぁ、可愛い。ホンマに…可愛い。


そんな事を思いながら、そっとキスをする。
髪でもおでこでもなく…少し震えている唇に。


…今日は抱きしめて寝よう。ずっとそばにいよう。
俺がいる…。一人じゃないって…そう伝えるために。



「もっとカッコいい告白できたらよかったんやけどな」

「かっこよかったです」

「ホンマに?」

「はい」

「…そっか」

「遥輝さん」

「ん?」

「好きです」

「俺も…好きやで」



あぁ、思いが通じるって…


(こんな気持ちやったんや)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

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