検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:54,602 hit

24-2 ページ2

遥輝side



遥「…Aちゃん」

「遥輝さん…ご迷惑をおかけしました」

遥「謝らなあかんのは俺たちの方や」

「…皆さんにもお見苦しい所をお見せして…」

遥「…Aちゃん」

「…はい」

遥「…怖かったやろ。泣いてええで」


そう言うと、大きく肩を揺らし…小さく震えて…泣きだした。


「遥輝さんっ…遥輝さん」

遥「ここにおるで…」

翔「前、約束したよな?」

賢「隠さないで、思ったこと言って」



大きい瞳からは…ボロボロと涙が溢れていた。



「…怖いのは、怖いんですっ。でもっ…今回の事で…皆と一緒に入れなくなるって思ったら…怖くてっ」

遥「…Aちゃん」

「…わがままなのはわかってます。こんなご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいなんです。でもっ」



握っている手を、ギュッと…握り返してくれた。


「でもっ…傍にいたいって思いました。離れたくなくて…」

遥「…A」

「だから、言いたくなかったっ。ここに、いたくて…でも、また皆に迷惑かけちゃって…」

遥「もうええから」

「ごめんなさいっ本当に、ごめんなさいっ」

遥「A、もうええよ…」


握っている手を引っ張り…思いっきり抱きしめた。
皆が見ているなんて気にしない。



遥「俺たちは離れていかんよ。そんくらいのワガママ言ってくれへんと、何のために俺らがおるん?」

「遥輝さん…」

卓「A、俺たちは離れない」

「卓也さん…」

賢「でも、ストーカーの話は…ちょっと話聞かせてもらってもいいかな?」


賢介さんが優しい口調で怒りながら…Aちゃんから話を聞いていた。


北海道に来てから借りているマンスリーマンションに、ストーカーが来ているとの事。
待ち伏せはもちろんのこと、差し入れのようなものや、家のインターホンが鳴ったり…

ほぼ毎日の状態らしい。
それが職員やったって話やけど…



「でも、今に始まった事ではないので」

賢「はぁ、この子の価値観と言うか…考え方を治す所か」

宮「…それ、事件やで?普通に危ないことってわかってるん?」

「…わかってます。でも、何かされたわけでもないし…」

翔「なにかされてからやったら遅いやん」

優「…今まで1人で…耐えてたの?」

「…そうだね」


弱々しい笑顔を向けてきた。
もう、諦めたような…何も期待していないような声だった。


遥「…Aちゃん」

「はい」

遥「…今日から俺んちおいで」

「…はい?」



24-3→←24-守りたい人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
159人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆき | 作成日時:2019年1月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。