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「分かった。じゃあ俺を信用してほしい。絶対にAを裏切らない。知らなかったから、こんなに傷付けた。こんな大事なAを俺がこの手で傷付けるわけがない」



信用するって一番難しい。


信用しろと言われてできるものじゃない。


傷付けるわけないだなんて、本当に思ってる?


難しい事だよ?



『………………』



すると黙っている私の肩を掴んで、くるりと振り向かせると、正面に立った彼は両手で私の両肩を掴んだ。



「信じてや!!!」


『え?』



声を荒げた彼にびっくりして、思わず驚きの声が漏れた。



「信じてや!俺は約束を破った事は一度もない!それだけはAも知ってるやろ?………お願い、信じて。信じてくれなきゃ、何も始まらへん!」



肩を揺さぶりながら、必死に伝えてくれた彼に胸が打たれるのを感じた。


痛いよ、流星。


胸が千切れそうに痛いよ。



『……………っ』



何か喋ろうとしても、喉がひっつくように乾燥していてうまく声が出ない。


それを彼は、無視をされたと解釈したのか諦めたような表情をしていた。


張り詰めていた表情から急に緊張を解いたかのように。



「……そう、でも構わんよ。Aに認めてもらうまで毎日でも会いに来るから。Aがどれだけ拒否しようが絶対に始めさせてみせる。迷惑がられても気にせえへんから」



その言葉に胸が激しく波打って、痺れが走った。


こんな彼知らない。


どうしてこんなにも私の心を揺さぶるんだろう、この人は。



『どこにそんな男気隠し持ってたの。そんなの、反則だよ……』



そんな熱い事を言うだなんて、知らないよ。


私が知ってる彼はそんな素敵な事を言う人じゃなかった。



「そう?俺はただ、Aと一緒にいたくて必死なだけやで。ほんま醜い」



醜くなんてない。




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みのむし(プロフ) - 最高!!!でした。ありがとうございました! (2020年8月21日 4時) (レス) id: e82b36cd8a (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - 誤字失礼しました。 最近一気に読むよりも仕事帰りに少しずつ読むのがいまの楽しみです(*´ω`*) (2017年11月21日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - こんばんは。久しぶりにコメント失礼致します。最近一気に読むより毎日仕事終わりの楽しみです(*¨*)いつ読んでも大好きな作品できゅんきゅんしています。新作も読ませていただいております!☆体調に気をつけて頑張ってください。 (2017年11月21日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - 続けて失礼致します。途方もない恋はわたしにとってとても大好きで大切な話です。それと同時にこれからも陰ながらですがみやびさんを応援しております。本当にお疲れ様でした!! (2017年10月26日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - こんばんは。お疲れ様でした。この作品でみやびさんを知り感情移入するほど夢中になって読ませて頂くのは初めてでした。見た目とは裏腹な流星くんの一途な想いや主人公の葛藤など魅せ方がすごく大好きな作品です。最後まで素敵なお話をありがとうございました。 (2017年10月26日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやび | 作成日時:2017年9月30日 17時

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