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『ふふっ、流星らしい。その大事な1日は何をするの?』
「Aの写真やビデオを見ながら、1日中Aの事だけを考える。その日が1週間できっと一番大切な日や。……でもそんな事したら会いたくなって、Aに会いにどこへでも行ってしまうかもしれへんけど」
ふと、全身がブルッと震えて寒くなった。
そうだ。
今は1月なんだよ。
寒い…………のに、こんなにも熱い。
『…………ばっかじゃない……ばか、ばかだよ』
馬鹿すぎて愛しいだなんて思ってる私の事なんて、知らないでほしい。
このまま隠し去ってくれればいい。
この冷気で、火照った頬の熱も隠してくれればいい。
「そうかもね。でも、その1週間プランで信用できひん?」
『2日分まだ考えられてないけど?その間に浮気されたらたまったもんじゃないんだけど』
「そっか、じゃあこうしよう。Aが家に一緒に住めばいい。一緒にいられない時は、10分に1回でもAに電話をするし、防犯カメラをつけて見張ってくれてもいい」
『………………』
なんでそんなに必死になれるの?
私がこんなに拒んでいるのに、どうしてそんなに必死になってくれるの?
私、最低の奴みたいじゃん………。
「どう?ええ考えやろ?うん、こうしよう。あ、Aはどう思う?」
『そんな事しなくていい』
はっきりそう告げると、彼は私の顔を横からチラリと窺い見てから、頭を分かりやすく下げて項垂れてしまった。
鍵を開けようとした私に、彼の手が強く引き止める。
「ちょっと待って!まだ、策はある」
頑なに拒む私は、今まで傷付いてきた分の臆病さの表れだと思った。
心が傷付かないように、防衛壁がそびえ立っているのが目に見えるようだった。
ここまで頑なに拒まなければいいと、紘なら馬鹿にするかもしれない。
でもプライドが高くて、心が弱い私は、これ以上に自分を守れる方法がないの。
結局のところ、彼の私への愛を信用できていないんだ。
また裏切られるんじゃないか、と心が危険信号を外さない。
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みのむし(プロフ) - 最高!!!でした。ありがとうございました! (2020年8月21日 4時) (レス) id: e82b36cd8a (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - 誤字失礼しました。 最近一気に読むよりも仕事帰りに少しずつ読むのがいまの楽しみです(*´ω`*) (2017年11月21日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - こんばんは。久しぶりにコメント失礼致します。最近一気に読むより毎日仕事終わりの楽しみです(*¨*)いつ読んでも大好きな作品できゅんきゅんしています。新作も読ませていただいております!☆体調に気をつけて頑張ってください。 (2017年11月21日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - 続けて失礼致します。途方もない恋はわたしにとってとても大好きで大切な話です。それと同時にこれからも陰ながらですがみやびさんを応援しております。本当にお疲れ様でした!! (2017年10月26日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
☆彡 - こんばんは。お疲れ様でした。この作品でみやびさんを知り感情移入するほど夢中になって読ませて頂くのは初めてでした。見た目とは裏腹な流星くんの一途な想いや主人公の葛藤など魅せ方がすごく大好きな作品です。最後まで素敵なお話をありがとうございました。 (2017年10月26日 19時) (レス) id: e41e162610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやび | 作成日時:2017年9月30日 17時