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「正直言うと、なるが合格するなんて思わんかった」
『正直言い過ぎだからねっ!?』
私の受ける学校は、前期だったから卒業式の前に入試は終わったけど。
梓は後期だから、卒業式の後。
なのに、この緊張感のなさ…。
まぁ、私たちらしい。
おかげさまでバッチリ合格もできて、まずは一安心だ。
まだまだこれから、家を決めたり引っ越しの準備とか色々あるけど。
まだ、実感が湧かない。梓たちと離れる日が、小瀧望と離れる日が来るなんて。
いや、想像したくないって言う方が正しいかな。
私は軽く、現実逃避をしているのかもしれない。
こんなので一人暮らしなんてできるのかな…。
と、若干落ち込んでいると、梓に背中を叩かれた。
「ほら!もうすぐ入るで?」
『…あ、うん』
そして私たちの卒業式が、始まった。
この三年間、本当に色んなことがあったなぁ。
その中でも一番濃い一年だったのは、三年生で。
今振り返ってみれば、数え切れないほどの思い出がたくさんある。
悲しいことも泣いたことだって何回もあるけど、それでも私は毎日が楽しくて。
私は、みんなに―――小瀧望に、少しでもお返しができているだろうか。
少しでも、気持ちを伝えられているのかな。
この学年みんなで集まるのも、最後。
―――もう、最後なんだ。
泣きそうになった。無性に。
鼻をすする音があちこちから聞こえてきて、みんな三年間の思い出を頭に巡らせているのかなぁと思う。
目の奥が熱い。
だけど、私は―――泣かなかった。
だって現実味がなさすぎて。
みんなと、もう過ごせなくなるなんて。
小瀧望と、もう会いたいときに会えなくなるなんて。
漠然としすぎて、よく分からない。
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さくら - おかえりなさい!お久しぶりの更新すごく嬉しいです!待ってました!小瀧くんかわいい♪これからもみやびさんの描く作品楽しみにしてます♪ (2018年10月30日 6時) (レス) id: 1dade656d2 (このIDを非表示/違反報告)
みきさー(プロフ) - 更新とっても嬉しいです! (2018年10月29日 21時) (レス) id: c0267b3386 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやび | 作成日時:2018年10月29日 20時