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『でも、私の頭じゃ無理ですよね。今更大学なんて…』
「まぁ大学は無理やけど、」
先生は突然立ち上がって、棚に並んである冊子を3、4冊ほど掴んできた。
パサッと机に広がる、それ。
「幼稚園教員の、短大なら行けるかもしれへんで」
『短、大…』
「短大って言っても、お前の頭に合ったところは…」
『……』
私、どれだけバカなんですか。
そして先生は「これや!」と私に一冊のパンフレットを差し出した。
「ここなら、お前の頭でも行ける短大だ」
『……』
「多少は、勉強してもらわないといけないがな」
ここ、知ってる。
私なりにインターネットで調べているとき、見た学校だ。
設備も就職率も良い。おまけに私の頭でも行ける。
けど……
「まぁ、こことなると一人暮らしやからなぁ」
“遠すぎる”っていう理由で、諦めたんだった。
「これは……東京、やな」
『東京…』
「まぁ、一度親と話し合ってみなさい。もう時間はないから、できるだけ早くな」
はい、とその冊子をくれた先生。
失礼しました、とお辞儀をして、進路室を出た私は、トボトボと教室に戻った。
きっと、お母さんたちは賛成してくれると思う。
一人暮らしっていうのが、少し説得しなきゃいけないかもしれないけど、でも大学に行ってほしいって言ってたから。
インターネットで見ていたとき、画面を覗いたお母さんも「いいじゃない!」なんて、目を輝かせていたから。
でも、でも……、
「…遅かった、な」
『こ、小瀧望!?』
私と小瀧望は、どうなっちゃうの?
『どうして?先帰っててって言ったのに!』
靴箱に体を預けている小瀧望に駆け寄る。
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さくら - おかえりなさい!お久しぶりの更新すごく嬉しいです!待ってました!小瀧くんかわいい♪これからもみやびさんの描く作品楽しみにしてます♪ (2018年10月30日 6時) (レス) id: 1dade656d2 (このIDを非表示/違反報告)
みきさー(プロフ) - 更新とっても嬉しいです! (2018年10月29日 21時) (レス) id: c0267b3386 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやび | 作成日時:2018年10月29日 20時