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#9. ページ9

夜。真っ暗な外、リビングのみに付いている明かり
漸く親が帰ってくると、水樹を見るなり「A〜!学校どうやった?!」と父親が元気よく問いかけてきた。

ぼうっとテレビを眺めていた水樹は父親の方を見るなり困惑したような苦笑いを浮かべて「あーあー」と声を出す。


「楽しかったよ、ええ友達も出来てん」

「そうなん?どんな子?」

「かっこええ子やねん。顔が整っててな、そんでもって俺に優しいねん。」


そう言うと、親は安心しきったのか頬は緩みっぱなし、「そっかぁ、そうなんかぁ」と嬉しそうに頷き優しい声色で相槌を打っていた。
わっと水樹の頭を撫でると「飯にするか!」と父親は太陽のような元気な笑顔で笑う。

家族3人、他愛のない話をして晩御飯を食べお風呂にも入り、22:00辺りには就寝。
真っ暗な部屋、車の音が外から響くだけの静かな空間で水樹は目を瞑り眠りについた。


翌朝、少し早めに起床した水樹。昨日と同じように前髪を分けるようセットをし、制服にも着替える。
朝食はトースト1枚、パクパクとすぐに食べ終えると鞄を持って玄関へ。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」


優しい母親の笑み、手を振られ水樹も軽く手を振り返し玄関の扉をパタンと閉めた。
薄い水色の綺麗な空、雲も綿のように広がり所々に桜の木も植わっておりどこを見ても気分が上がる。

そんな気分上々な水樹、通る人達に小さく頭を下げ挨拶をしているといつの間にか学校前の横断歩道で信号待ちをしていた。

朝が早かったため、大きい欠伸をし口を手で覆う。
目の縁に涙を浮かべていると信号が青になり、足を踏み出す。


「A!」


ふと聞こえた聞き覚えのある若い声。顔を上げると水樹に手を振る光一と、その隣でじっと待っている剛の2人。
相変わらず周りの人間は水樹に冷たい視線を、2人には憧れの眼差しを。


「眠そうやなぁA」

「ちょっとはよぉ起きてん、おはよぉ光一、剛」

「おはよぉ、でかい欠伸やったなぁ」

「そんな所から見てたん、はっずいわぁ」


はは、と小学生のような楽しそうな笑みを浮かべる3人。ずっと仲良しだったかのようにグイグイと押し合いをしながら下駄箱へ。
上履きに履き替え、教室へと歩を進める。

扉が音を立てて開かれると教室の中にいる生徒が一斉に顔を向ける。この時間帯は2人が来る頃なのだろう。
そんな中に混ざる目障りな水樹。


「…あ。Aくん、ぼく教科書忘れてもうた」

「ん?なら一緒見よか」

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yu - めちゃ良かったです (2022年11月17日 18時) (レス) id: b3f4a92def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月11日 1時

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