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#48. ページ48

「…」


翌朝、いつもの様に登校し靴から上履きに履き替えた所で少し先の掲示板に人集りが出来ているのが目に留まる
その人集りの少し後ろには光一と剛の姿もあり、何やら顎に手を当てて悩んでいる様子。


「なんやのこの人集り」


2人の方へと駆け寄ると、掲示板前に居た人間が一斉に水樹の方へとナイフのような視線を向ける。
そんな生徒に圧倒され、口を噤んで気を紛らわせようと掲示板へと目をやった。

でかでかと「裸で連れ込み?!」と言う見出しと共に、上裸の水樹とノースリーブの剛の写真。
誰だこんな影から写真撮った奴はと眉を顰める水樹。ふと2人の方を見ると剛は写真を見つめながらずっと無言、光一は腕を組んで自身と目を合わせた。


「…これ昨日のやんなぁ…」

「遊びに行っただけやのに…タイミング悪かったわ」

「かなり痛い写真撮られたなこれ、」


呟くように3人で会話をする。
じっと眺めていると、剛がおもむろに人集りの中に入れば掲示板に貼られたそのプリントの上部を掴み、ビリッと大きな音を立てて下に引くと一気に破いた。

ぐしゃぐしゃに丸めると廊下のゴミ箱へと投げ入れ、光一と水樹の手を引いて教室へと向かう。


「誰やねんほんまに、あんなん撮ったの」


パッと見は分からないが、怒り心頭な剛。光一が落ち着かせようと背中を摩る。それを拒むことなく受け入れ、机に頬杖をついて少しの間黙っていた


「…ごめん、俺のせいで」


話しかけづらい雰囲気。謝るとハッと水樹の方を見た剛は首を横に振った。
2人にとっては特にそんな痛手な内容ではないのだろう。ただ、水樹の事が心配で可哀想で、自分の事のように考えてくれていた。


「Aくんのせいじゃない」

「でも俺があんな格好で開けたからやん」

「ぼくのタイミングが悪かっただけ、風呂の途中で訪問しちゃったから」

「どっちも悪くないんじゃないの、たまたま運が悪かった。それだけで」


水樹と剛で自分が悪い論争を繰り広げていると、光一が口を挟む。
確かに、タイミングなんか誰にも分からないしお互い何をしているか盗撮でもしない限り分からない。
少しの沈黙の後、3人顔を見合せ「はは、」と目を細めて笑う。


「撮った奴が1番悪いよな」


という結論に纏まった。
ただ、犯人探しはしないと約束した。

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yu - めちゃ良かったです (2022年11月17日 18時) (レス) id: b3f4a92def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月11日 1時

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