検索窓
今日:14 hit、昨日:6 hit、合計:6,591 hit

#23. ページ23

セットして短かった前髪は、下ろすと眉より少し下程の長さになりチラチラと視界に前髪の先が入っては消え、また入っての繰り返し
そんな水樹は新鮮なのか、隣に座る剛は自分達が強引にセットを崩し下ろした水樹の前髪にチョンチョンと軽く触れる。


「俺の髪触ってて楽しい?」

「ん、柔らかくて楽しい。ずっと触ってたいわぁ」

「そぉ?剛の髪も綺麗やし羨ましいで」


ふふ、と目尻に皺を寄せ柔らかく返事をした水樹。剛も彼の見せる笑顔が好きなのか、常に顔をほころばせている。

水樹の1つ前に腰を下ろしている光一。後ろ2人がイチャついているんだ、その輪の中に混ざりたくもなるだろう。


「楽しそうな事話してるやん」

「光一、Aくんの髪柔らかいねん。綺麗な髪してて、」


5時間目も終わりもうそろそろこの日最後の授業、という事で準備をし椅子の背もたれに体重を預け前方を眺めていた光一も我慢が出来なくなり後ろを振り返った。

「うわぁほんまや」と2人で水樹の少し長くなった前髪を指先でゆらゆらと触れる。
困ったような笑みを浮かべ、大人しく教師が来るまで楽しそうな2人を眺めていた。

5分もしないうちに教師が入ってくると、みんな姿勢を正し挨拶を始めた。

頬杖を付き授業を受ける者、大きな欠伸をしてウトウトしながらノートをとる者。見るからに不真面目そうな奴らがいるにも関わらず、毎回指名されるのは水樹だ。


「答えてみろ」

「…すみません、まだ解けてなくて」

「ッはー、本当バカは困るわ」


答えられないと明らかに不機嫌な態度になる教師。大きな溜息をつき、悪態まで吐いてダルそうにしている。
2回、3回と答えられずに居るとそれはもうひどい罵詈雑言が飛んでくる程にエスカレートしていた。

それを見て桐島や寺嶋等周りの人間は心底楽しそうな笑みを浮かべ、クツクツと小さい笑い声を漏らす。

この1時間だけで疲労感が目に見える水樹。机に突っ伏して「はあぁ…」と過去一大きいため息をついた。


「…Aくん、今日お家行ってもええ?」

「俺も、今日は習い事無いねん。…やっぱ疲れてる?」

「…いや、全然。来てええよ、なんも無い家やけど」


顔を上げて2人の顔を順に見ると、疲れ切った表情の水樹は「はは、」と乾いた笑いを漏らし了承した。
荷物を纏め、ホームルームを終わらせると3人一緒に教室から廊下に足を踏み出した。

#24.→←#22.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:KinKiKids , 堂本光一 , 堂本剛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yu - めちゃ良かったです (2022年11月17日 18時) (レス) id: b3f4a92def (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年8月11日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。