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#14. ページ14

少しつった眉、丸い目が柔らかく細くなりバイバイ、と自身に手を振った。剛は相当水樹の事が気に入っているらしい
光一も横断歩道を渡る水樹にヒラヒラと小さく手を振り、そのまま背を向けて帰路に着いた。

帰宅後、水樹は制服を脱ぐと脱衣所の鏡で自身の体を眺める。
薄く綺麗な健康体、そんな体に残る青アザ。

脇腹、みぞおちとくっきりと残る痛々しいアザは今朝暴力を振るわれたものだ。
押すとズキンと電気が走るように痛み、思わず顔をしかめる。


「着替えの時どうしよ」


水樹が1番に心配したのはそんな事だった。体育の際、皆の前で普通に着替えていたがこんな大きなアザを作ったのを見ると絶対に注目を集めてしまう。
ただでさえ2人に向く視線は多いって言うのに。

脱いだ制服を手に持ち、自室へと向かう。いつものように部屋着に着替え、ハンガーに制服をかける。
はぁあ、と大きなため息をついた後リビングに降りるとテーブルの上に置き手紙を見つけた。

<お店で弁当買って食べて!ごめんね>
手に取り目を通すと、上記のような1文。今日は余程忙しかったのだろう。その置き手紙をテーブルに置き直し、自身財布と家の鍵を持ち外へと足を踏み出した。

ガチャン、と鍵もかけ閉まったかの確認をした後足早に近所の店へと向かう。
5分程度歩いただろうか、見覚えのある顔が目の前を横切った。


「光一」


ふと気付けば名前を呟くように呼んでいた。そんな小さな声ですら聞き取った光一は振り返ると水樹をじっと見つめる。


「…A?」

「そう」


首を傾げた光一の元に駆ける水樹。部屋着だったからだろう、見慣れない水樹の全身に目を通すと子供のように歯をみせ笑った。


「服装違うだけで全然雰囲気変わるんやな」

「あ、ほんまぁ?ダッサイ服着てるから余計にやろ、中学の時買うてん」

「よぉ入るなぁ、でもダサくないで」


はは、と優しく笑う光一。水樹の着ている洋服に触れじっと見ていると不意に腹に指が触れる。
ズキン、とまた痛みが走り顔が歪むのを見た光一、何かおかしいと疑問に思い顔を覗き込んだ。


「痛かった?大丈夫?」

「大丈夫、コケた時のがまだ残っててん、」


乾いた笑いを喉から絞るように出し、光一から少しの距離をとる。ふと手提げを持っている彼に目をやり首を小さく傾げる。

「どっか行くん?」

「え?あぁ、今からピアノやねん」

「え、すっごいなぁ。弾けるんめっちゃかっこええ」

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yu - めちゃ良かったです (2022年11月17日 18時) (レス) id: b3f4a92def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月11日 1時

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