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暖房器具の稼働音だけが響く寝室のベッドで横になったまま、山��は回らない思考を必死に巡らせる。
やけにリアルで、夢か現実か分からないまま上体を起こして考え込んだ。
夢で良かった、阿瀬が腕を切ったなんて、そんな事しなくて良かった。
気味の悪さを覚えたが、すぐに胸を撫で下ろす。
大事な腕を切るなんて事が無くて良かったと、自分の事の様に安堵していた。
ちゅんちゅん、と窓の外から雀の愛らしい鳴き声が聞こえる。
遮光カーテンの隙間から細く射し込む陽射しに目を細めながら、ベッドから降りて立ち上がる。
そんな時。
ピコンッとポップな通知音が静かな寝室に響いた。
棚の上に置いていた携帯を手に取り画面を開けば、山本からの個人チャットへメッセージが来ていた。
" 今日、Aの一回忌。早いっすよね。 "
彼のメッセージに歩みを止めた。
現実世界で最期まで言えなかった言葉を、致死量に達する程の愛を注いでくれた彼に夢の中でぶつける。
取り繕ったままの、上辺だけの姿を彼に記憶してほしくなかった。
選手としては大好きだった彼の事をもう見られないのは寂しいが、阿瀬にとって最善策だった。
夢だと安堵した山��だったが、山本の言葉で一気に引き戻されて奈落の底に叩き付けられる感覚を覚えた。
「……俺のせい…。」
寝ても醒めても、どんなに嫌われようと、相変わらず阿瀬は可愛い。
そんな彼に手を合わせに向かう為、肌寒い寝室で着替えを始めた。
───
END
終わり
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
