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死にたいというよりも、今まで取り繕っていた分の不満をぶつけていただけだった。
真っ赤になった腕を見て、何の感情も抱かない。高揚感も後悔も無く、" 赤いなあ。" と呑気に考えていた。
皮膚に付着した血は乾き始め、傷口からはまだ少しずつ流血している。止まらない血にも焦りを覚える事は無かった。
目の前の机に頬を寄せたまま、右手で文字を打つ。
" 寮 "
" 手首切ってしまった "
送信先は山��だ。
何故仲のいい同期じゃないのか、何故山��なのか。
見せつけたかった。
自身の腕を彼に、1番に見てほしかった。決して好きな相手だからというわけじゃない。
友達として、同期として好きな山本や山崎、宇田川達には絶対に見せる事が出来ない。
彼へのメッセージはすぐに既読になり、返事も無いまま時間が過ぎていく。
彼はこんな、かまってちゃんの様なメッセージを見てどう思うのだろうか。どんな顔をしているのだろうか。そんな事を考えながら、パタンと携帯の液晶画面を伏せる。
管理人から鍵を借りたのか、閉めていた鍵が回り、扉が開かれた。
焦った様に足音を立てて室内へ入ってくる彼の表情を見る事無く、机に突っ伏したまま左腕の傷を止血してもらい、包帯が巻かれた。
消毒液は嫌な程傷口に染みて、ビクッと左腕が反応する。
「…なんでこんな事したの。」
小さな血溜まりや、血の着いたカッターナイフを片した山��は阿瀬の指に自身の指を絡めながら、落ち着いた声色で問いかける。
それでも何も話さない。呼んだはいいが、口を聞きたくないようで机に突っ伏したままの状態で動かない。
「ねえ、なんで。大事な腕を、ねえ、なんで。」
阿瀬の返答を待たないまま、彼は強く問い掛ける。
肩を揺すっても阿瀬は顔をあげない。
「…何が嫌なの…？」
受け答えを何もしない阿瀬が不安になると同時に、悲しくも思えてしまい山��は小さな声で呟く。
「野球、嫌になった？」
彼の言葉に首を振る。
「何か、嫌な事された？」
彼の言葉に何も反応を示さない。
「……俺のせい？」
不安げな声色で、恐る恐る問い掛けた彼の言葉に阿瀬は首を縦に振った。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
