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「…そんな過保護にされたら僕、野球出来ないっすよ。」
何かをする度に、山��が顔を出す。
片付けやボール運び、ましてやバント練習ですら見に来る程。
思わず困った様に笑いながら彼に言ってしまった。
過保護だと。
「……不安なんだもん。どんな怪我するか、どんな無茶な行動するか。怖くて。」
いつもの様に笑って返されると思っていたのに、彼の表情は至って真面目だった。
じっと阿瀬を見つめる彼の瞳に背筋が凍る感覚を覚え、ふっと視線を逸らす。
「自打球も怖い、バントも指を挟むんじゃないかって、怖くて。Aが打席に立つ度、Aにボールが当たったらどうしようって不安になる。」
暑いはずのドームなのに、阿瀬の背中には冷たい空気が流れて鳥肌を作る。
「……。ごめんなさい。あんな、ダメな守備して。」
視線を外したまま、自身の手を握りながら呟くように謝罪した。
打球が取れたとはいえ、担架で運ばれるような守備をしたのは事実だ。怪我よりもチームの勝利を選んだが、その判断は正しかったのかと自問自答しては首を捻るばかり。
幸い、怪我は無かったがチームメイトには心配をかけてしまった事には変わりない。
「ダメなんて思ってないよ。思ってない、ねえ、A。顔上げて、こっち向いて、俺を見て。」
阿瀬の寂しそうな謝罪に山��はすぐに反応を示した。
2、3歩離れた場所に居たはずの彼はいつの間にか阿瀬の目の前へ移動してきており、発汗して冷たくなった頬を両手で包む。
まるで、失言を取り戻すかのように。嫌われたくなく、好きな相手に縋るように。
熱を持つ山��の手の平が、冷たい頬に熱を分け与える。
阿瀬の右足は、1歩後退する。
彼を振り切って逃げる事は出来ないのか、視線も顔も上げないまま山��の言葉を頭上で聞いていた。
よりいっそう、阿瀬の額には汗が滲む。瞳がブレて、動揺している事も明らかだった。
「ねえって、ごめん。ごめん、A、こっち見てよ。」
余計に縋るような声色になり、阿瀬はゆっくりと顔を上げた。
眉を八の字に下げ、大きな瞳は少しだけ潤んでいるようにも見える。
顔を見せてくれた事に安堵した山��の表情には笑みが戻り、「良かった。」と心底嬉しそうに抱き締めた。
「…。」
黙ったまま、山��の二の腕に触れてそっと撫でる。
彼を逆上させない為、彼に縋られない為。
密着して体温は高くなっているのに、阿瀬の手や足は小刻みに震えていた。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
