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試合中、脳震盪を起こした阿瀬は担架で運ばれる前、ずっとずっと山��の事を気にしていた。
ままならない思考の中でも、彼が気に病んでいなければと。
自身の心配よりも、彼が責任を感じていなければと不安だった。
「A動かれへんか。」
中川の声が耳に届く。
仰向けに体を動かすと、薄い瞼の向こうから突き抜けてくる天井の照明に、思わず眉を顰めた。
それを汲み取ってくれた宗は、大きな手のひらで目の前の光を遮断してくれる。
「…取れて良かったあ〜…。」
「凄かったまじで。でも無茶しすぎだわ〜。」
「福也さんに、大丈夫だって言っといてください。」
「言っとく言っとく。」
担架が来る数分間、阿瀬と3人は会話をしていた。
漸く持って来られた担架に乗せる為阿瀬の体を持ち上げる。
そのままはけていった阿瀬を見つめた後、3人もダグアウトへ向かって駆けた。次は攻撃の回だ。
もう大丈夫だと、ダグアウトへ戻って来た阿瀬だが、山��に握られる右手をちらりと見た。
彼は両手で包む様に阿瀬の手を握っており、尚更動かしてはダメだと感じてしまう。
熱気がすごいドーム内、阿瀬は黙ったまま試合の経過を見つめる。
「…手。俺よりちっちゃいね。」
「前から分かってる事でしょうに。」
「……ほんと、何でも可愛いね。」
ぎゅうっと恋人繋ぎをすると、阿瀬の手の甲を指の腹で撫でていた。
会話が噛み合っているのか、合っていないのか分からない会話に阿瀬本人は受け答えをしながらも、頭にハテナを浮かべる。
試合終了と共に、ファンからは拍手を送られる。
それと同時に山��の手をするりと離し、ダグアウトからグラウンドへ歩みを進める。
背後から感じる山��の視線に鳥肌を立てながらも、気にしていないフリをして守備に着いていた選手を迎えた。
阿瀬の姿を見ては皆が安心した様な表情を浮かべる為、思わず笑みが溢れてしまう。
「ダグアウト見てたけど、何さちさんとイチャついてんのー。」
ヒーローインタビューを受ける山��や杉本を背に、阿瀬は山岡に話し掛けられ歩みを止めた。
照明がチラチラと2人を照らすダグアウト前方、山岡の方を見ながら眉を下げて苦笑いを浮かべる。
「いつものです。」
「んはは、相変わらずね。」
「ほんっと物好きっすよね、あの人。」
楽しげにケラケラと笑う山岡に、阿瀬も頷きながら少しだけ呆れた様に笑って返事をした。
そうやって笑う阿瀬だが、山岡の瞳には少し迷惑そうに笑っている様にも映っていた。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
