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練習後の片付けも、何かを取ろうとしても、どこにいても阿瀬の近くには山��が居た。
高い所の物を取ろうとすれば背の低い阿瀬に変わって取ってくれて、道具を片付けようとした阿瀬に変わって山��が片付けに加わる。
1、2回だと嬉しいだろう。
けれどこれが毎回だ。顔色を伺いすぎる阿瀬は、頼りにならないと言われているようにも思える為に気が滅入る。
何度説明しようが彼は飛んでやってくる。きっとこの人は直らないなと認識し、強く言う事を控えていた。
そんな過保護が続く中、阿瀬は久方ぶりにスタメン出場となった。
本拠地では無いものの、それでも試合に出場できるという事実が阿瀬の心とやる気を掻き立てる。この日の先発は山��だった。
満員の観客、盛り上がるドームのアナウンス、大きな大きな鳴り物の音。
全てが熱気に変わり、さほど動いていないにも関わらず額から頬へと汗が伝い、人工芝へと落ちて行く。
どんなに苦手な投手でも、やはりスポーツに私情は持ち込みたくない。
皆で勝ちたい、山��には勝利投手の権利を持って欲しい。そんな願いを抱きながら、外野手として起用された阿瀬は彼の背中を見つめる。
関わりを持たなければ格好良く、目を惹く選手だ。
呑まれそうな相手チームの応援に目もくれず、山��は着実にアウトを取っていく。
その度にダグアウト内の選手は拍手を送り、山��は振り返ってアウト数の確認をし、野手の士気を上げてくれる。
本当に、私情が絡まなければ大好きな選手だ。
ツーアウト。走者は3塁のみ。
守備が伝えられ、位置に着く。
山��が投げたストレートが捉えられ、ライナー気味に外野へと飛んでいく。
阿瀬の右側を抜けそうな、ラインギリギリの打球を必死に追い、小さな体で勢い良く飛び込んだ。
応援で守備の声も聞こえない、三塁手の宗が何か叫んだ気もしたがそれよりも先にグラブに伝わる球の感覚と、体に走る鈍い痛みが先に来た。
「うぅ"、ッ。」
飛び込んだ勢いで、フェンスへ後頭部から追突してしまったのだ。
苦しそうに呻いた後、ライン外のファウルゾーンに蹲る。それと同時に、グラブの中に収まっている球を左手を少し上げてアピールした。
中堅手の中川と、三塁手の宗、遊撃手の紅林が駆けて来て蹲ったままの阿瀬を覗き込む。
話せる事を確認し、立てるかを問うたがぶつかった衝撃で脳震盪を起こしており苦しそうに呻くだけ。
だだっ広いグラウンドの一角で阿瀬は担架に乗せられ、ダグアウトから裏へとはけていった。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
