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「触れられるのが、つらい。」
ある、夏の日。
梅雨明けの蒸し暑い時期、冷房の効いた自室で阿瀬は招き入れた宮城に零した。
山��と山本が少しだけヒリついた空気を醸し出した昨日、その後から阿瀬の調子は崩れ出していた。
遊びに来ていた宮城は、椅子に腰掛けながら自販機で買ってきた飲料を口にしてベッドにうつ伏せになる阿瀬を見つめている。
「それは、僕らにって事っすか？」
キャップを指先で閉めながら宮城は問いかける。
沈み込む柔らかいベッドで、シーツに頬を擦りながら阿瀬は首を傾げて見つめてくる宮城に視線を向けた。
冷房の稼働音が響く室内、阿瀬の頭には自分自身の鼓動音も聞こえてくる。
「…違う。」
彼から視線を外し、シーツに顔を埋めた阿瀬の声はくぐもっており、宮城は余計に首を傾げた。
きっと彼からしたら阿瀬は面倒な先輩だろう。それでも後輩なりに気遣い、疑問や質問を言葉を選んで問うてくれる。
ベッドに横になったままの阿瀬の隣に宮城が腰を下ろすと、ギッと小さく木枠が軋む。
少しだけ悩みながらも、手を伸ばしてシーツに擦れてぐしゃりとうねる阿瀬の髪に触れ、そっと撫でた。
「…ごめんね、気遣わせちゃって。」
宮城の手に大人しく撫でられ、そして擦り寄るようにしながら阿瀬は謝罪する。
2人の呼吸音が響くベッド周り、この状況を山��が見たらどうなる事か。
「…由伸さんとかに話せない事もあるだろうし、後輩だから話せる事もあると思うんです。」
山��とは違う、心配してくれている彼の手に目を細めてほんの少し考える。
「…昨日、由伸と福也さんと、僕とで話してたんだ。その後に打撃練習に入ろうとしたんだけど、手が震えて、止まらなくて。」
人肌に触れた阿瀬は、多少なりとも落ち着き、冷静に昨日の出来事を彼に伝える事が出来た。
少しだけ冷房が効きすぎた寒い部屋。2人の優しく、寂しい声が響く。
「…その時の空気が、なんか、嫌で。福也さんが怖くて。最近、触られるのも嫌悪して…僕自身が自分を嫌いになりそう。」
「Aさんは優しいから人一倍、人の顔色に気を遣うんじゃないんすかね。誇りに思っていいし、辛かったら、逃げてもいいと思いますし。」
安心する声色で、優しく柔らかい髪に指を通しながら彼は嬉しい事を言ってくれる。
本当に先輩の扱いが上手い愛されキャラだ。阿瀬は徐ろに顔を上げた。
口角を上げて笑みを浮かべ宮城に両手を伸ばすと、彼の両頬を手で覆い、強く撫で回した。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
