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夜、練習を終えた阿瀬は宮城や紅林と寮へ向かっていた。
眠いね、疲れたね、なんてほのぼのとした空気が3人の間で流れる。
しんと静まり返った場所で、エレベーターの下降音を聞いていた。
「さちさんてAさん好きっすよね。」
チン、とエレベーターの扉が開いた所で紅林が発した。
突然どうした、と2人して彼を見やりエレベーターに乗り込む。
3人も乗り込むとエレベーターは少し沈み込んだ。
「うーん、好かれてるのかな。」
「普通あんなベタベタしないっすよ。」
扉が閉じ、ゆっくりと上昇する。少しの気持ち悪さを覚えながらも胸の前で腕を組み、紅林の言葉に少し納得した。
確かに、普通はあんなにベタベタしない。
スキンシップは山��以外からも多いとはいえ、彼は何かが違うのだ。
「ふふ、確かに。でもまあ、いんじゃない？嫌われるよりは。」
明るいエレベーター内、阿瀬の言葉には感情が乗っていなかった。
横でじっと見つめる宮城は、本気で笑っていない冷たい表情の阿瀬に背筋が凍る感覚を覚える。
" 開 " ボタンを押して、3人はそそくさと廊下へ降りて行く。
3人の部屋がある4階は人が少ない為、1階に居た時よりも更に静まり返っていた。
足音が反響する廊下を、3人は一言も発さずに歩みを進める。
「Aさんて、好きな人とかいるんすか。」
「さっきから容赦無く聞くじゃん。」
かなり踏み込んだ質問ばかりをする紅林に思わず宮城が口を挟んだ。
宇宙人と言われる紅林はいつ、何を言い出すか分からない。
目の前で2人のやり取りを聞いていた阿瀬は先程とは違い、しっかりと心から笑みを浮かべ、くつくつと1人で楽しげに笑い声を零す。
「宮城レスポンスはっや！」
ほのぼのと笑みを浮かべているイメージが定着していたせいか、先程の宮城の素早さが余計に面白く、涙を浮かべながら腹を抱えて笑う。
案外、どこでどうなるか分からないのは阿瀬も同じなのかもしれない。
紅林と宮城は顔を見合せ、キョトンとした表情で1人して笑う阿瀬を見つめる。
「はあー。いいなあ。面白かった。くれはなんだっけ、好きな人だっけ。」
「すぐ会話に戻るんすね。」
「僕皆好きだよ、優しいもん。みーんな大好き。くれも、宮城の事も。」
宮城の頭に手を置き、背伸びをして紅林の頭にも手を伸ばす。
中腰になり背丈を合わせてやると、阿瀬は2人の頭を強く撫でて悪戯に笑った。
「じゃあね、すぐ寝るんだよ。」
自身の扉に手をかけながら、はにかんで2人に言った。
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kaaaaaann(プロフ) - 毎度のタイトル回収がとても面白くて好きです (11月6日 1時) (
レス) @page26 id: 6592908639 (このIDを非表示/違反報告)
宮さんのﾌｧﾝ - 無茶苦茶混乱してるのでまた最初から読み返してきます……… (11月5日 0時) (レス) @page26 id: a501d72624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年10月27日 1時
