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左打席に立つとバットを構えて投手の投げる球の軌道を目で追う。見極めはそこそこ出来ており、スリーボールワンストライク。そして2塁にランナー。
追い込まれたピッチャーは外角低め、ストライクゾーンから少し離れた場所に真っ直ぐストレートを投げた。
本当は手を出さないでいい、けれど柳瀬はどうしても打ちたかったのか体制を崩しながらもバットの芯に打ち当てた。

山なりに、悠々と逆方向のライトスタンドへと飛んでいく打球。確信歩きをし、バットフリップをした後塁を回った。
先制2ランで皆席を立ち、大盛り上がり。変に崩れた体制だったのにと気持ち悪がられる事にもなった。

「やっと自分の打ったボールでホームベースを踏めた!」

「ふふ、良かったね」

「良かったぁ」

栗原から何度も頭を撫でられながら、幸せそうな笑みを見せる。彼も柳瀬の活躍は嬉しいのだろう、笑顔な柳瀬を見て彼もまた笑みが溢れてしまう。

その日、ホークスは先制の2点を守り抜き、勝利を収めた。
試合終了後、柳瀬はフィールドシートにいた小さな子供の元へと走って向かう。

「A選手!サイン!サイン!」

と小さな子供が色紙を手に、柳瀬へとマジックと共に渡してくる。

「今日の僕かっこよかったやろ〜、近くで見れてラッキーやね」

なんて笑いながら声をかけて色紙にサインを書き、子供の持っていたボールにもサインを書いた。
彼に渡すと、周りのお客さんも柳瀬にサインを求める。やっぱアンチよりもファンが多いんやん、なんて思いながら出来る限りのサインを書いて渡していた時だった。

いきなり胸ぐらを掴まれたかと思うと、左のこめかみ辺りに鈍い衝撃が走った。
掴まれている為倒れこむ事も出来ず、何が起きたかも分から無いままただ痛みが頭に響き、驚いた表情で顔を上げる。

「子供に触んなや!」

なんて言いながら、先程サインを渡した子供の父親らしき男は体重の軽い柳瀬を引っ張る。フィールドシートには落ちないように、柳瀬もフェンスを強く掴んでいたのだが、もう一度こめかみを殴られて崩れ落ちてしまった。
「お父さんやめて!」という子供の声、「誰か!スタッフさん!」と、近くにいた大人達の焦った声。フィールドシート付近が騒がしい事は相手チームも、自チームも気付いており、ホークス側の選手が数人駆け寄ってきた。それと同じ頃、スタッフと警備員も席の間を縫って急いで走って来ていた。

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Mexx(プロフ) - 初めて見つけて一気読みしました!!!おもしろくてあっという間!続編希望します!!🥹 (10月4日 23時) (レス) @page45 id: 553f86ba4d (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - 今更ですが一気読みしました!!途中ちょっと泣きそうになりながらも大谷さんともいい対談して、、、最高でした!!!! (8月20日 11時) (レス) @page45 id: 03c5b943b6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ばたこさん» またもし次の作品でばたこさんに刺さるものがあれば嬉しいです!ここまでありがとうございました!🙇‍♂️ (6月23日 8時) (レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - え!!!!!もう終わっちゃうんですか!!!悲しいです🥺私の入院中の唯一の楽しみでした、ありがとうございました!完結おめでとうございます(_ _) (6月23日 8時) (レス) @page45 id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2023年6月11日 0時

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