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「さぁゼキ!生クリーム泡立てるばい!」

プリンも食べ終えて楽しい会話もそこそこに柳瀬は立ち上がると空になった小皿を手にキッチンに向かった。
大関も立ち上がり、エプロンを手にして首にかけ、腰で縛る。

「えーと…ボウルはこれでよかよね。冷やさないかんけん…こうか。」

1人でブツブツいいながら大きめのボウルと少しだけ小さなボウルを2つずつ取り出して大関の前に置く。
冷蔵庫からも冷やされた生クリームを取り出し、自身は買ってもらった新品の泡立て器を、彼には棚から出した電動泡立て器を渡して「やるぞ〜」なんて気の抜けた声を出す。

「電動あるじゃないですか」

「いや、ゼキに腕痛めでもされたら嫌やったけん」

「…」

そんな柳瀬の気遣いに大関は口を閉ざすと、必死に混ぜる柳瀬の横でお気楽に生クリームを泡立て始めた。
10分もすれば大関の方は満足のいく生クリームが仕上がっていたが、柳瀬はまだまだ。少しだけ重たくなってきたかという頃だった。
「うえー、ならん…多すぎたか…」なんて呟きながら必死に混ぜる柳瀬をじっと眺めた後、大関は彼の背後に立つと、泡立て器を持つ柳瀬の右手に自身の手を重ねた。
左手はまた彼の手の上から一緒にボウルを持つ。
驚いて顔を上げようとすると柳瀬だが、大関はそんな彼の耳元で

「ゼキでも大関でも無くて、大関くんって呼んで欲しいです」

なんて声を出す。彼の声は誰がどう聞いても低くて落ち着きのあるイケボ。認めざるを得ないほど完璧な声。
柳瀬は顔を上げれず、「え…え…?」なんて照れと困惑で手を止めてしまっていた。

「可愛い後輩からのお願いじゃないですか」

またそうやって耳元で言う彼に

「呼ぶけん…大関くんって呼ぶけん、やめてばいそれ…恥ずいやん…」

小さい声で1度名前を呼んだ。
すると満足そうに口角を上げると、「絶対っすからね」なんて言いながら、混ぜ方を教える。
「こう、分かりました?」なんて柳瀬の手を動かして教えてくれる大関に何度も頷き、柳瀬は必死に腕を動かした。
あんな恥ずかしい事されたくない一心からだった。

「ああいうのは彼女や奥さんにしなさい」

「いませんもん今。出来るまではAさんが代わりです」

「勝手に代わりにすなよ」

何とかツノが立つようになった生クリーム。2人で切り分けたスポンジにゴムベラで乗せるとケーキ作りも最終段階へと入った。

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Mexx(プロフ) - 初めて見つけて一気読みしました!!!おもしろくてあっという間!続編希望します!!🥹 (10月4日 23時) (レス) @page45 id: 553f86ba4d (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - 今更ですが一気読みしました!!途中ちょっと泣きそうになりながらも大谷さんともいい対談して、、、最高でした!!!! (8月20日 11時) (レス) @page45 id: 03c5b943b6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ばたこさん» またもし次の作品でばたこさんに刺さるものがあれば嬉しいです!ここまでありがとうございました!🙇‍♂️ (6月23日 8時) (レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - え!!!!!もう終わっちゃうんですか!!!悲しいです🥺私の入院中の唯一の楽しみでした、ありがとうございました!完結おめでとうございます(_ _) (6月23日 8時) (レス) @page45 id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2023年6月11日 0時

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