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翌日、またスタジアムに足を運ぶ。代表は勿論柳田や牧原等に接触しようとする人が多い中、柳瀬のユニフォームがグイッと引っ張られた。驚いて振り向くと、1人の若い男性が柳瀬のユニフォームを掴んでいた。
「ファンなんです！」
と渡された手紙、一瞬ポカンとしてしまったが嬉しさで口角が上がってしまい、「ありがとうございます！」なんて礼を述べて小さく頭を下げて荷物を置きに行く。
この日、柳瀬は指名打者として起用された。
自分の分は自分で補う、所謂大谷ルール。ああ羨ましい。ああ悔しい。2年しか変わらないのに。
試合中、柳瀬はふと手紙の存在を思い出す。
もうすぐで打順、力を貰う為に手紙を見ようと幸せいっぱいにその封を開けた。
1枚のクリーム色の便箋に、右肩上がりなカクカクとした強めの字。綺麗な字だなぁ、なんて思いながら読み進めていくがどうもおかしい。
ファンレターなんかじゃない。凄く否定的な手紙で、時に"消えろ""死ね"と強くトゲのある言葉が書かれている。
嫌なものを見てしまった。そう思い便箋を折ると封筒にしまい、ベンチに置いてバットを手にした。
柳瀬の隣に座っていた栗原は、手紙を読んでいる間の彼の表情の変化が気になってしまった。ネクストバッターズサークルへと向かった柳瀬を確認した後、手紙を手にして便箋を取り出した。
1行ずつ読んでいくと、栗原の表情も険しくなっていく。
いつの間にか打順が周り、打席に立つ柳瀬は「あぁ"くそ！！」と大きな声を上げ、1球目から思い切りバットを振った。鳴り響く快音、皆立ち上がり球の軌道を目で追う。
フェンスに直撃、柳瀬は二塁で走塁をやめた。塁の上の柳瀬は打った喜びよりも、苛立ちの方が強そうに見えた。
「なん持っとっと？」
栗原の手にある手紙が気になった牧原は問いかける。「ああ…」と濁そうとしたが、こういうのは正直に言った方がいい。柳瀬への手紙、内容は酷いものと便箋の文字を見せながら説明した。
結局ホームベースを踏むことは無かった柳瀬。戻ってくるのを見ると急いで手紙を元の位置に戻した。この日もまた日本代表に敗北してしまった。
「その手紙、どうすんの？」
試合終了後、栗原は柳瀬に問いかける。
「ん？応援の手紙やし大事にするけど」
なにを当たり前な事を、と言うような目で柳瀬は栗原を見る。実際どうするのか分からない。けれど、こうして内容を隠そうとする柳瀬はまた壊れそうに思えた。
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Mexx(プロフ) - 初めて見つけて一気読みしました！！！おもしろくてあっという間！続編希望します！！🥹 (10月4日 23時) (
レス) @page45 id: 553f86ba4d (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - 今更ですが一気読みしました！！途中ちょっと泣きそうになりながらも大谷さんともいい対談して、、、最高でした！！！！ (8月20日 11時) (レス) @page45 id: 03c5b943b6 (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - ばたこさん» またもし次の作品でばたこさんに刺さるものがあれば嬉しいです！ここまでありがとうございました！🙇♂️ (6月23日 8時) (レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - え！！！！！もう終わっちゃうんですか！！！悲しいです🥺私の入院中の唯一の楽しみでした、ありがとうございました！完結おめでとうございます(_ _) (6月23日 8時) (レス) @page45 id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
x他1人 | 作成日時：2023年6月11日 0時
