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3月某日、大谷と相原は飛行機に乗って日本に帰ってきた。
「人がいっぱいおるん嫌やわ」なんてわがままを言いながら大谷の後ろから離れずに相原は空港内を歩き、そそくさと車に乗り込む。その2人の姿をカメラは少しだが捉えていた。
車に揺られる相原の顔色は少し青く見えた。
「気分悪い？酔った？」と問われれば、「緊張と酔いと時差ボケ」なんて詰め合わせみたいな返答をする。
全て嘘なのだが。久しぶりに帰ってきた日本、環境の変化だろうかすこぶる体調が悪かった。
球場に付くと大谷に対しての歓声があがる。カメラも何度もシャッターを切り、彼もまたそれに軽く応えていた。
相原は「ちょっと離れる」と大谷から離れると誰かに挨拶する前に荷物を置いてトイレへと向かった。
苦しそうに嘔吐きながら朝食べた物を全て戻してしまう。冷や汗をかきながら立ち上がると、口をゆすいで皆の元へと向かう。挨拶をしなければと。
「お、来た来た」
「すみません、遅れて。ダルさんに会うって思うと緊張して吐きそうで」
相原は頭を下げてダルビッシュに挨拶をする。
大先輩だ。憧れだ。正面からしっかりと会話をするのはもしかしたら初めてかもしれない。少しの間楽しそうに話していると彼の方から相原に問う。
「なんか顔色悪ない？本当に吐いてきたやろ」
「お、よく分かりましたね。緊張と車酔いが襲ってきました」
「落ち着くまで座ってじっとしてな、な？まじで顔が青白いから」
そう言うと相原をフェンス際に座らせ頭を撫でる。
風になびく相原のストレートな黒髪。頬辺りの長さの前髪は指が引っかかることも無くはらりとすり抜けていく。ダルビッシュが日除けになってくれていて、相原は顔を見上げて「すみません、心配させてしまって」と謝罪した。
「大丈夫。ちょっと向こう行くけどAはここおってええから。他の人も呼ぼうか、ここにおるでって」
「うは、そんな事させちゃっていいんですか。お願いします」
相原は目を細めて楽しそうに笑うと小さく頭を下げた。ダルビッシュも笑顔を見せると軽く手を振り相原から離れていく。数分後、俯いていた相原の頭上から声がした。驚いて顔を上げるとそこにはラーズ・ヌートバーがいた。
「"Aだったね？僕はヌートバー、たっちゃんって呼んでよ！"」
「わぁお、"たっちゃん！たっちゃんよろしく！"」
元気な人には相原も同じテンションで返事をする。数秒の間に意気投合したのかかなり仲良さげにその後も話していた。
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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (
レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした！！本当にお疲れ様でした！！ (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年6月4日 13時
