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坊主にした事をInstagramで報告するとすぐに牧原を筆頭に可愛がってくれていた先輩から連絡が来た。
それが面白くて笑ってしまう。いいねをするのも早いし、連絡も早いしどんな風に普段過ごしてるのか不思議だ。
そして、大谷と顔を合わせると「なんで切った?!」と丸くなった頭を撫でながら焦ったように聞いてくる。
それは大谷だけじゃなくて、他のチームメイトも同じ反応をしており、「"前も可愛かったのに"」なんて嘆く人が沢山居た。
水原や監督は理由を知っている為、髪を切った事を素直に褒める事が出来ずにいた。
「ねぇ翔平」
背後からずっと相原の事を抱き締めている大谷の腕を撫でながら、名前を呼ぶ。
「んー?」
なんて甘い声で返事をして、相原の顔を覗き込む大谷だが、相原は目を合わせる事が出来なかった。
「翔平って僕の事好きね〜」
そう言いながら笑って彼の手の甲を撫でる。
すると彼は相原を抱き締める力を強くさせて「うん、好きだよ。」と耳元で問いかけた。その声は少し熱を孕んでいて、頭がおかしくなりそうで。
「…WBCの時、僕と話す機会が少なくてちょっと寂しかった。A、皆にじゃんじゃん話しかけに行くんだもん」
「次いつ会えるか分からんからね。話せる人とは沢山話さないと。翔平とはこっちで話せるからね」
まるで子供をあやす様に相原は大谷の頭を撫でていると、サンドバルに呼ばれて彼の腕の中からすり抜けてブルペンへと向かって行ってしまう。
大谷はそんな彼の後ろ姿を眺めながら自身の手をじっと眺めて「…細くなった…?」と眉をひそめて呟いた。
前よりも相原の体に腕が回るようになったような、そんな気がしたのだ。
実際、相原は細くなっていた。
どれだけ食べても気持ち悪くて戻してしまう。そのせいか細い体が余計に細くなってしまっていた。
それは相原のSNSを見たファンの間でも話題になっており、坊主にした理由や細い理由、WBCの優勝後の集合写真に写ってなかった理由を勝手に考察し始める人もいた。
チラホラとその話題を取り上げる日本のマスコミ、専門家などを呼んで相原の事をカメラの前でも考察をしている。
ある事ない事好き勝手に話し、「薬_物中毒なのかもしれない」と行き過ぎた発言をする者まで現れた。
そんな事、相原はなにも知らない。
日本にいるチームメイトや同じ代表だった選手は毎日の様に耳にしては心のモヤを大きくさせていた。
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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした!!本当にお疲れ様でした!! (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮 | 作成日時:2023年6月4日 13時