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21日、アメリカ戦。
相原は先発捕手で5回まで捕手としての役目を務めた。勿論、打席にも立ち、塁には出る事が出来たがホームベースは踏めないまま。6回からは甲斐に変わった。相原の体調がまた悪くなり始めたのだ。
メキシコ戦が終わった後監督の栗山には相原自ら体調の事を話していた。
体調は悪くなるかもしれない、けれどそのギリギリまで地に足つけて意地でも頑張るから先発捕手として起用してくださいとも頭を下げていた。
「よく頑張った」
そう言って監督から背中を叩かれると頭を下げて、キャッチャー防具を外すと裏に行き、長い廊下を歩いてまたトイレの個室にこもってしまった。コロコロと変わる環境に相原の体は悲鳴を上げていた。
何度も咳き込んで、食べたものを全て吐き出す。なんで決勝で、と悔しさばかりが込み上げてきて相原の瞳は潤んでいた。
いつの間にか9回。大谷が抑えれば日本は優勝。
トラウトとの夢の対決、次あるか分からないその対決を、皆目に焼きつける。
結果は、大谷がスライダーでトラウトを抑え、3-2で優勝。
大谷は帽子もグローブも投げて喜びをあらわにする。世界一だ。皆マウンドに集まるが、その中に相原はいなかった。
「……日本、優勝しましたよ」
「……」
「…まだ、立てませんか。」
「…立てない、力も入らないし、まだ、吐き気が…ごめんなさい…」
半泣きで、込み上げてくる気持ち悪さを必死に耐えている相原は、どうも立てる様子では無かった。
男性スタッフは心配そうに相原の背中をさすり、外から聞こえてくる楽しそうな声と祝福する声を黙って聞いていた。目の前の相原が小さく見える。あんなに楽しそうな場所に入る事が出来ず、ただただ苦しんでいるのを見るのはつらい。
「合わせる顔がない…皆に申し訳ない…、やっぱり足を引っ張った、」
副作用で精神的にも不安定になってしまうのだろう。嘔吐きながら、相原は皆に対して申し訳なさそうに呟く。
「…相原さんは居なきゃいけなかったんです。皆さん、相原さんの事が好きなんです。卑屈にならないでください、大丈夫です。」
グラウンドの方では、皆がメダルを受け取り、トロフィーを手にして写真撮影をしていた。「Aは？」と言う声も上がったが、監督が体調不良とだけ伝えると皆黙って頷いた。写真撮影も終わり、その後シャンパンファイトも行われたが相原は参加出来なかった。立つ事が出来なかった事が原因だが治療中の身でもある為どの道参加は出来なかっただろう。
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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (
レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした！！本当にお疲れ様でした！！ (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年6月4日 13時
